社会資源



 社会資源とは、利用者の要求の充足や問題解決のために、効果的に利用する様々な有形、無形の人的、物的、制度的資源のすべてを指している。

 社会資源は、利用者の置かれている状況により(例えば高齢者や障害者等)、多種多様な分類が可能であるが、ここでは総括的な分類方法として、人的資源と物的資源、そして制度の側面から見た福祉サービスなどの公的資源とボランティアや各種団体などの地域資源とに分け、それぞれの特徴や具体的な活用方法について言及したい。

 まず、人的資源についてであるが、代表的なものとして考えられるのが各種ヘルパーである。ヘルパーの活用に関して重要なのはその必要性が十分に検討されることである。

 例えば、介護保険制度における訪問介護は無尽蔵に利用者の望む家事援助やその他行為を行なうわけではない。利用者宅の掃除や買い物を生活援助は、その利用者の家庭状況を鑑み利用者の環境を考慮した上で、必要な範囲での提供にとどまるのである。したがって、普段しないような大掃除や、家族がいる場合(家族が疾病や障害があり家事が出来ない場合や、勤めているために利用者が日中独居になる場合は除く)の家事援助は介護保険の訪問介護サービスの範囲外となる。

 ホームヘルパーは便利な家政婦ではなく、利用者の出来ないことを補う代理行為として位置づけられるべきであることを念頭においておかなければならない。

 次に物理的資源についてであるが、これには医療機器や各種福祉補助用具がある。これらの活用においてもその用具が利用者のADLの向上につながるものであるか、又、その用具が利用者に合ったものであるかを十分に検討しなければならない。

 例えば車椅子一つをとっても、その用途によって、自走用、介助用、電動式等があり、寝たきりに近い状態で自走は困難、通院や近隣の散歩用であれば、安定性のある大きめの介助用車椅子を、事故等で下半身不随、家屋内での使用が主なものである場合は小回りのきく小さめの自走用車椅子を選択するといった具合に、利用者の心身状況にあわせかつニーズを満たす選択が必要である。

 次に公的資源とボランティア等の地域資源についてであるが、この二つはそれぞれが互いに補うような関係であると考える。公的資源には各自治体が行なう制度である介護保険、障害福祉サービス、子育て支援等があり、専用の財源が公金によって確保されているため、幅広くかつ強力な支援体制が可能である。しかし、その一方で運用に関しては制約が多く、例えば保険料を滞納しているとサービスが受けられない、内縁の夫がいると手当てが受けられないといった融通のききにくい側面がある。

 一方、地域資源は公的資源に比べ財源がないか、もしくは微々たるものであるため、ある程度規模のある自治体単位での運用は困難であるが、制約が少ないため柔軟な運用が可能である。

 公的資源と地域資源は、活用方法によって互いの長所を生かしながら、互いの短所を補い合う支援体制の構築が可能となる。

 以上、社会資源についての特徴や活用方法について述べてきたが、最終的にこれら資源を活用するのは利用者である。支援者はその地域にどういった社会資源があるかを常に情報収集し、利用者の立場にたって最善の資源を導入することが重要であると考える。

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