グループワーク



 集団援助技術(グループワーク)は、個人のパーソナリティの成長・発達と社会的適応を図るために集団活動を通して援助する技術である。

 グループワークは集団のメンバーと援助者(グループワーカー)との相互関係や、集団のメンバー間に発達する相互作用やプログラム活動を通して展開される。

 利用者は自分と同じような課題・問題を持つ他の利用者との活動や交流を通して様々な人の異なった見方、感じ方、解釈に耳を傾けることで、いつしか自分の問題に対して新しい見方が出来るようになる。さらにこのような集団の中で、自分の見方、感じ方などが他の利用者の役に立つという機会や役割が与えられることによって、利用者は自分自身を尊重できるようになり、他者への信頼感を強めていくことにつながっていくのである。

 グループワークの展開過程としては、@準備期 A開始期 B作業期 C終結期 の4段階が考えられる。以下においてそれぞれの段階における機能を説明していく。

 まず、@準備期であるが、ここでは利用者の問題・課題と援助内容を明確にする時期である。グループワーカーは、利用者の生活状況、感情、関心事、心配事を理解して援助活動の過程で起こりうる出来事を予測しておかなければならない。

 次に A開始期であるが、開始期は利用者(個人)を集団になじませることから始まる。集団の目的、援助活動の日時や回数、期間の予定、費用、プログラム活動の内容、利用者同士の役割分担、約束事などを確認し、提供する援助活動が利用者の期待、要求といっちしたものかどうかを確認する。

 B作業期においては、集団が発達する時期と位置づける。集団独特の行動の仕方や物の考え方が生まれ、集団内の個人は一致した行動をとることが要求される。グループワーカーはこのような集団内での個人の相互作用の様子を観察して利用者個人の具体的な目標を明らかにする。また必要な場合には利用者に代わって権利を擁護する弁護的な役割を果たし、グループ全体のバランスをとっていかなければならない。

 最後に C終結期であるが、利用者が終結への準備ができるよう援助し、集団活動を終わらせて評価する。そして援助活動の意義、学んだことを明らかにして、援助後の個人のアフターケアを計画する。

 以上がグループワークにおける展開過程であるが、これらの過程においてグループワーカーの果たすべき役割とはどのようなものであるかを考えておかなければならない。

 グループワーカーとはどのような役割かを考えるときに重要なことは「グループワークを行なうのは援助者であり、利用者ではない」ということである。つまり、他領域では利用者が「主体者」であり、利用者が行なうグループ活動そのものがグループワークであるという考え方がある。しかし、社会福祉援助技術として発展してきたグループワークは、グループ活動の一つではなく、あくまでもグループ活動への援助方法(グループ援助)であると考えられる。つまり、グループワークとは援助者が用いる体系的援助実践方法のことである。援助者は、グループ活動の経験がそのグループ一人一人の利用者にとって効果があるように援助する。この効果的かつ最善の援助を生み出すために援助者は理論に基づいた配慮ある働きかけをしていくのである。それは、グループ場面でいかに援助的な「介入」をしていくかという手続きを指している。すなわち、援助者がいなければ当然グループワークは成立しない。

 まず、グループワークの成果は、援助者自身の働きかける技法に大きく左右される。このことは援助者の責任、役割行動がきわめて重要になってくることを意味している。これらの意味からもグループワークを行なうのは援助者であり、援助者こそ「実践主体者」なのである。

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