第二十五話 Reincarnation! 後半
霖之助「後半は飛ばしていくよ!」
メリー「うわー、敵からか」
魅魔「この状態で取り合いになると分が悪いね。なんとか奪い返せればいいんだが……」
駄メイド「ん? おかしいですね、誰もボールを取りに来ません」
ユキ「わざと泳がして皆で囲むよ!」
妖夢「パスでなければ勝算はあります!」
マイ「攻めるだけなら簡単だって前半でわかったもの!」
ミスティア「パーフェクト私に勝てると思うかしらー?」
駄メイド「……ってなんか急にいっぱい来ましたー!?」
ユキ「尖兵は私、みんな後に続けー!」
駄メイド「いくら来ようと所詮通常タックル、このレベル差で私が負けるわけがありませんよー!」
マイ「私相手にこぼしておいて何をいまさら……」
ユキ「〜〜〜〜っ! ……や、やった! やっちゃったー!?」
一同「なにィイイイイィイイイ!?」
駄メイド「なんで取られちゃうんですかー!?」
ルーミア「駄メイド……お前最高だよ」
小悪魔「予想外のプレゼントね……」
霖之助「ふっふ、その辺りまではギリッギリ想定内だよ子猫ちゃん!」
玄爺「ってうわー!? いつの間にかユキ殿が囲まれてますぞー!?」
毛玉2「この状況では下手にパスしてもカットされるだけだす……」
ユキ「うー、考えろ、考えるんだ私……」
ユキ「〜〜〜〜っ! 多分この距離なら必殺の方が強いー!」
マイ「お願い、喰らいついてくんな」
霖之助「ははははははははははー!」
リリーW「(ってやっぱり来たー!?)」
メリー「万事休すかしら……」
ミスティア「あれ、ボールが」
ルーミア「まさか……抜けたのか?」
小悪魔「抜けた! 抜けたぞユキ!」
ユキ「え? ……えええええ!?」
霖之助「ちぇっ、案外強くてカットできなかったよ!」
妖夢「とりあえず喜ぶのは後でもできます。ミスティアさん、ここから早く脱出を!」
ミスティア「そうね。鬼さんこちら手の鳴るほうへ〜!」
マイ「お疲れ様、ユキ。あとごめんね? 今日ジューダスまだ撃てなくて」
ユキ「ううん、いいからいいから。お互いがんばろ、ね?」
魅魔「いい子だ……ほんといい子だねえあの二人は」
メリー「あんたが言うか、と言いたいところだけどまあ概ね同意だわ」
魔理沙「どうもまぐれでボールが取られたみたいだが、ここは通さないぜ!」
魅魔「魔理沙……ま、しばらく静かにしててくれ」
魔理沙「なっ!?」
小悪魔「パワー補正のせいか普通に通ったな。だけど、あの顔……」
魅魔「なあに、後でちゃんと折檻するさ。師匠としてね」
小悪魔「……そうか。今は試合に集中しよう」
敵魅魔「ふうん、随分と未練がましいねえ!」
魔理沙「……」
幽香「あらま、必殺パスだなんてつれないわね」
ミスティア「よっしゃー! 行くわよー!」
SGGK「……」
ルーミア「ほらほら、喰らいつくのか」
SGGK「と め る !」
フィーッシュ!
ミスティア「釣 れ た !」
ミスティア「なるほどザ・ワールド!」
一同「時よ止まれ……」
ミスティア「なーいす、皆反応ナーイス」
妖夢「このためだけに台本渡したんですか?」
ルーミア「理解不能なのか」
リリーW「(だがこの一手でぽっかりとゴールに穴が開いたぜ……)」
ミスティア「私はもうヘタレじゃなーい!」
メリー「よし、決まった!」
マイ「わっほーい!」
ユキ「おつかれー!」
敵ユキ「ユキぐにー」
玄爺「盛り上がってるところ悪いですが、ミスティア殿そちらに向かいましたぞ」
ミスティア「やーね、私が偽ユキなんかに負けるわけが」
敵ユキ「ユキぐにー!」
ミスティア「ないじゃなうぼぁー」
毛玉2「あー……」
敵ユキ「ユキぐにー」
敵マイ「マイたけー!」
魅魔「ちい、ここぞとばかりに切り込んできたねえ!」
毛玉2「余計な真似をされる前に食い止めるだす!」
リリーW「(四天王を舐めるなよ!)」
毛玉2「ないじゃなうぼぁー」
リリーW「(ないじゃなうぼぁー)」
メリー「うわー、あっさり抜かれないで四天王ー」
妖夢「そこはかとなく嫌な予感がするのは気のせいでしょうか?」
玄爺「やはり一発カットと行くのは難しいですな!」
ユキ「減衰が入ってるのに無理だなんてー……」
霖之助「お待たせっ! さあ、ショウタイムだよ!」
小悪魔「げっ」
霖之助「ずっと僕のターン!」
ルーミア「やめてー。褌やめてー」
ミスティア「多分ダメだと思うけどがんばれジャック!」
ジャック「無責任ですよぉー!?」
ジャック「」
魅魔「声も出なかったねえ」
マイ「うう、取っても取っても数分で取り返されるよ……」
妖夢「正直終わりが見えませんね。とにかくミスだけしないよう気を遣うだけです」
ルーミア「攻めてる間はいくらゆっくりでもいいから気楽なのか」
玄爺「とは言っても鳥篭禁止ですからいずれは結果が出ますぞ」
小悪魔「なんとかして延命しないとなぁ」
ユキ「今日一番活躍してるアイテムは間違いなくパス補正系だねー」
リリーW「(ちげえねえ)」
魔理沙「ただのワンツーなのに触れも出来ないぜ……」
敵魅魔「確かにかなりやっかいだねえ」
小悪魔「よし、あとは頼む!」
妖夢「っと、誰も来ませんね……効かないでしょうがスルーしておきましょうか」
ミスティア「んじゃ私も……ちょいちょい」
SGGK「……」
ミスティア「ちぇー、流石に三度目は釣れないか」
マイ「転倒はしてるけどすぐ復帰するからね……なんかまだシュートしたらまずそう」
マイ「ユキ中継お願いー」
ユキ「おっけー!」
メリー「案の定この僅かな間に結構回復してるわね。いい判断だったわ」
マイ「えへへ」
ミスティア「この方向に味方が居ないから仕切りなおしーっと」
妖夢「Vフォームってセンタリングからのスルーはしやすいですけど、真ん中では皆さん上がらないので難しいですね」
魅魔「何度かスルーして完全に転倒させないと不安で仕方ないねえ」
リリーW「(まあSBGKとか言うパチモンよりはるかに強いからな)」
玄爺「仮にもゲストキャラにその扱いは酷いですぞ……」
小悪魔「絶好球だがなかなか競り合いに来ないな」
ミスティア「いい加減喉が痛いわ……」
ルーミア「すさまじくガッツが減ってるのか」
毛玉2「残り時間ガッツ保つだすかね?」
ユキ「うーん……ってうわ!? なんで私にスルー球!?」
SGGK「……こいつだ!
と め る !」
メリー「しかも飛び出してきたぁ!?」
ユキ「あわ、わわ、わわわわわっ!」
マイ「せっかくの低い球なんだからクリムゾンお見舞いしてやれー!」
ユキ「む、無茶言わないでよぉ〜!」
ユキ「うわーん!」
リリーW「(出て行ったか……取られるよりマシだがスルー帳消しはきつい)」
ミスティア「うへえ、人の苦労を何だと……」
マイ「……」
ミスティア「……ま、まあユキもがんばったし仕方ないわね!」
ルーミア「弱いな……」
魅魔「さて、ここからどう攻めたらいいものやら」
リリーW「(とにかく外周から誰も跨がないように)」
ミスティア「ふー、少し落ち着いたわ。さーて、来なさい来なさい」
小悪魔「おいおい、挑発するのはいいが少し近くないか?」
SGGK「………………とめるっ!」
ミスティア「おほほー、早くいらっしゃぎにゃー!?」
小悪魔「……あーあ」
玄爺「一気に決め台詞を言うことで心の虚を突いてきましたぞ!?」
毛玉2「そういうのアリなんだすか?」
メリー「あらま、またこぼれちゃったか……」
リリーW「(とりあえずもっかいパスワークで)」
霊夢「甘い球貰ったァ!」
魔理沙「球がへろへろしてるぜ!」
リリーW「(どわっとぉ!?)」
魅魔「集中力が切れてきたか……長丁場だからね、皆いったん深呼吸でもしな!」
小悪魔「はぁ、40分*2は確かにしんどいなこりゃ」
ミスティア「私も今日は歌い通しで辛いわ……とりあえず誰も来てないしパスしとこ」
ルーミア「いい加減辛くなったら代わるのかー?」
メリー「ま、本気でやばいときはお願いするわ。アイテム補正無いとしんどいだろうし」
ミスティア「ほーらほーらちょいちょいちょいちょい、いらっしゃーいいらっしゃーい」
マイ「……ウザッ! ミスティアウザッ!」
ユキ「み、味方がウザがっちゃダメだよー!」
SGGK「と め る!」
ミスティア「フィーッシュ!」
ミスティア「四面楚歌チャーミーグリーン!」
妖夢「……決まりましたね。ご苦労様です!」
玄爺「っと、スルー先がわしですか!?」
魅魔「うーん、パスしてもいいんだが……せっかくだしシュートだよ!」
小悪魔「ぶっ!? ええ?」
玄爺「では行きますぞ!」
玄爺「世にも珍しいわしのシュートを喰らうがいいですぞー!」
敵マイ「マイたけー!?」
メリー「きま……決まったぁー!?」
マイ「すげー、玄爺すげー」
ユキ「やったね!」
霊夢「あんたらどんだけ貪欲なのよ……」
小悪魔「人聞きが悪い。全員サッカーと呼んで欲しいな」
魅魔「だねえ。あとついでにボールがもらえると嬉しいねえ!」
霊夢「今度は決める、さっきみたいなお粗末な結果じゃ済まないわよ!」
魅魔「っと、あっさり抜かれちまったねえ」
霊夢「魔理沙!」
魔理沙「霊夢!」
リリーW「(どわっ!? 即死コンボ来たぁ!?)」
玄爺「流石にこのクラスは触れることさえできませんぞー!」
小悪魔「これを通せば間違いなく致命傷……だが無理か!」
幽香「うふふ」
霊夢「き め る !」
妖夢「やっぱり飛んできましたー!?」
毛玉2「これもポストに祈るしかないだすな……」
ジャック「ですね、この角度ならなんとか悲しみポストが……」
ジャック「アーッ!」
メリー「あらららららら……」
魅魔「まあ無理だろうとは思ってたがねえ」
マイ「流石にビッグハンドだけじゃ荷が重過ぎるよ」
ユキ「けどほんと休む暇がないね。早く取り返さないと……」
ジャック「テンション上がってきた」
リリーW「(正直焼け石に水だと思うんだが)」
小悪魔「多分攻めてる間に結界切れてそうだ」
魔理沙「毎度減衰が手一杯だぜ……」
ルーミア「敵のディフェンスがザルなだけ幸いなのか」
小悪魔「ミスティア、頼む!」
幽香「私もこんなシーンばっかりで悲しいわ」
ミスティア「そんなの知ったこっちゃないわ! そーれ、ちんちーん!」
妖夢「……まだ来ませんね。転倒の程度も軽いですし仕切りなおしましょう」
ミスティア「っと、ガッツがかなり減ってるわね」
マイ「うわ、必殺もう使えない? 参ったね……」
玄爺「とは言えこぼれるかしないとルーミア殿と代わるわけにもいきませんぞ?」
毛玉2「無茶は承知だす、もう少し粘ってだすー!」
ミスティア「りょ、了解……」
マイ「トラップよりまだパスのほうが高い!」
妖夢「ここで来てくれれば最高なんですが……来ませんね!」
妖夢「あともう一回行けます?」
ミスティア「えーと、ちょっと待って……げほっ!」
メリー「ちょっとミスティア! あんたどんだけガッツ無くなってるのよ!」
ミスティア「あは、げほ、ちょっと無理しただけ……」
小悪魔「あー、もう無茶すんな! ボールくらい取られてもいいから!」
ユキ「だよ! 少し休んでて!」
ミスティア「げほ……いや、でも私が頑張らなきゃ……」
敵マイ「マイたけー!」
幽香「今なら競り勝て……っとぉ!?」
ミスティア「……へへ、私の空中補正を舐めるんじゃないわよ……」
ルーミア「いいから、さっさとボールを離して休め!」
ミスティア「ごめん、もう無理……妖夢、あとは任せたわ」
妖夢「ミスティアさん……」
敵マイ「マイたけー!」
幽香「スルー要員が力尽きたなら、この場を凌げばもう打つ手は無いはずよ!」
SGGK「
と め る !」
妖夢「……くっ、ここで奮起しないで、どうして、どうしてチームメイトだなんて胸を張れますかッ!?」
妖夢「ミスティアさんの尽力を無駄にさせませんッ!」
メリー「こぼれた……」
魅魔「……ボールが来たよ。よく言った、妖夢」
マイ「いけえええええ!」
ユキ「ぶちかませえええええ!」
ミスティア「どーよ……これで」
妖夢「あと六分……ギリギリでした」
魅魔「おつかれ、二人とも。後はゆっくりしておいてくれ」
リリーW「(だが敵の得点速度から、そう言ってられないんじゃないか?)」
玄爺「そうですぞ。もし一点取られたら……」
魅魔「……そんときゃ任せな」
毛玉2「あっ」
ミスティア「ちょ、こっちくんじゃないわよ……」
マイ「ダメだ、私じゃ食い止めきれない!」
エーリッヒ「さてさて諸君、私の存在を忘れてはおりませんね?」
小悪魔「げっ!?」
エーリッヒ「あなたたちは十分頑張りました。私としてもここまでとは思いませんでした。ですが……ここまでです」
妖夢「何を……ここで黙っててもらいましょうか!」
エーリッヒ「だんまく程度で黙る私ではありませんよ!」
ルーミア「回避した!?」
メリー「まずい!」
エーリッヒ「では私直々に絶望させてあげましょう! この奥義を以って!」
霖之助「お供します、師匠!」
マイ「出たァー!?」
ユキ「状況が状況じゃなきゃビジュアルにツッコミも入れられるんだろうけど!」
魅魔「流石にこの状況じゃ絶望的過ぎる!」
ジャック「ポスト……せめてポストに……」
小悪魔「……ダメだジャック! 逃げろ!」
ジャック「見てください……ネットは守りましたよ……」
メリー「……馬鹿」
霖之助「流石に連中もこれで打つ手無しでしょう!」
エーリッヒ「スルー要員はもう息切れ。替えたとしても力不足です。もう恐れる必要はありません」
霊夢「ま、ここまで抵抗したのは褒めておきましょうか」
魔理沙「……」
幽香「じゃ、せいぜい残り時間を足掻いてみるのね」
敵魅魔「ほら、攻めるならおいで!」
魅魔「……じゃ、行くよ」
マイ「うん」
ユキ「行こう。最後の希望」
リリーW「(とりあえずまずこのバケモノの頭上を越えてからな!)」
エーリッヒ「まだやる気ですか? なかなかのパスですね」
小悪魔「そりゃそうだとも。負けだとは思ってないからね」
敵魅魔「大した自信だ、何かやるならさっさと見せてごらん!」
小悪魔「……まだ遠い」
リリーW「(ついでに時間稼ぎだ。アレは大トリじゃなきゃな)」
駄メイド「……はっ!? そういえば、あの人たち……」
霊夢「……」
魔理沙「……」
幽香「……ふふ」
小悪魔「よーし、先がぽっかり開いた! ラストは頼むぜ、魅魔!」
魅魔「ああ!」
マイ「キャプテン!」
ユキ「ファイト、おー!」
ミスティア「そうね、切り札は最後に切らなきゃね」
ルーミア「正真正銘最後の一手だ、きっちり頼むのか」
妖夢「私たちは信じてます。待ってますから」
リリーW「(響かせてくれ、タイトルのように)」
玄爺「リーインカーネイション……転生」
毛玉2「おでたちはあなたの転生を信じてるだす」
魅魔「よっし! SGGK、そしてお前ら! 遺言があるなら聴いてやるよ!」
霖之助「なっ!? なんだ力が高まって……」
エーリッヒ「……」
正直ね、私はもう全盛期なんぞに未練はないんだよ。
霊夢たちが全盛期を求めてる? はん、馬鹿げてると言ってやりたいね。
私はこの戦いを通じて、そんなものよりずっと大事なものを手に入れたからさ。
私はその大事なものとずっと過ごしてわかったよ。
全盛期は過去でもなく、未来でもなく……今この瞬間だってことを。
今こそ見せてやるよ! 私が愛したひこかの全てを!
SGGK「うおおおおおおおおおおお!?」
魅魔「私が消えようが消えまいが構わないがね、こいつらの笑顔を奪わせはしないよ!」
マイ「キャプテン……」
ユキ「うわーん! キャプテーン!」
魅魔「これが私らのラストだ。あんたら、どう答えを出す?」
エーリッヒ「……よろしい。ならばもう一度絶望させるのみ」
魅魔「そうかい。できるものならね」
エーリッヒ「もはや手加減の必要もありません。あと一点取ればいい」
霊夢「わかったわ」
小悪魔「大口叩かせておいてなんだが……凌ぎきれる自信ないぞ!?」
ルーミア「だけど信じるだけなのか。キャプテンがあんな言葉吐いたわけだしな」
ミスティア「必殺パスはやっぱ無理……うぼぁー!」
エーリッヒ「……さて」
妖夢「でっ!?」
玄爺「よりにもよって!?」
毛玉2「これは……」
エーリッヒ「私がここでシュートを選べばあなた方は万事休すです」
魅魔「だろうねえ」
エーリッヒ「……いいんですね?」
魅魔「いいとも。リリー、フォローしておいてくれ」
リリーW「(あ、ああ……)」
エーリッヒ「では参りましょう! これが我々のラストターンです!」
エーリッヒ「……おめでとう。魅魔くん」
一同「……え?」
リリーW「(なんだなんだどうなってる? ボール貰っていいのか?)」
ルーミア「なんなんだー?」
リリーW「(あらよっと!)」
マイ「っと動揺しないで、パスしてよパス!」
魅魔「もうどうせ点は取れない、逃げ回るんだ!」
マイ「あ、うん!」
蓮子「試合終了ー!」
メリー「私たちの……」
小悪魔「勝ち……だよな?」
マイ「や、やった?」
ユキ「やっちゃったー!?」
MVP:ガッツ二桁までよくがんばったよ、ミスティア
技能賞:ユキのおかげで流れが変わった
敢闘賞:飛び出しをことごとく潰したマイ
ムカつく奴で賞:敵全員
裏MVP:ジャック……と言いたいが、最後だし「なし」で
エーリッヒ「お疲れ様です、皆さん」
魅魔「ふん、変な舞台まで設けて余計なことを考えるんじゃないよ」
メリー「いやちょっと魅魔……あんた何言ってんの?」
小悪魔「正直ついていけてないんだが」
敵魅魔「それは私が説明しよう!」
マイ「ぶっ」
ユキ「へ? へ?」
ミスティア「……なんか微妙にテンションおかしくない?」
敵魅魔「よくぞ私の与えた難題に打ち勝ったものだ!」
妖夢「いえ、別にあなたからは……」
メリー「……与えた? 難題? ……はっ!?」
蓮子「(おーいメリー!)」
メリー「ちょ、いきなり何、蓮子」
蓮子「(実況室! 実況室!)」
メリー「実況室……ってうげ!?」
敵魅魔「おっと、見つかったか!」
小悪魔「……おい、あいつなんか見たことあるのは気のせいか?」
魅魔「ほーらね。私もシュートしに行く途中で気づいたんだけどねえ」
敵魅魔「ガガーピピーおいこら止めろ蓮子君! 音声を弄るな!」
魅魔「この敵魅魔も精巧だけどロボさ。声は実況室からスピーカーで出してた」
メリー「……そっか。全部監督だったのね」
敵魅魔「ガガガガピーその通り! 全ては私が仕向けたものだ!」
ルーミア「てかややこしいことしないで普通に出てこい!」
マイ「だぞー、どんだけ人が苦労したと思ってるんだー!」
敵魅魔「ガガガガガガーピガガガー」
ユキ「……ノイズだらけで聞こえないよ」
監督「蓮子君が妨害して仕方ないので降りてきた!」
蓮子「あのですね……男なら面と向かって説明してください」
監督「まあそう怒るな。私はあくまで善意でやったことなんだからな?」
メリー「善意?」
監督「ああ。魅魔くんの存在が揺らいでると耳にし、それを救うためにな」
エーリッヒ「私はそれを手助けするために呼ばれたのです」
玄爺「とりあえず一つずつ説明していただけますかな?」
監督「私は彼を呼び、エネルギー充填の研究を依頼した」
エーリッヒ「何故面識があるのかとかどうコンタクトしたのか等はスルー願いたい」
リリーW「(まあ今更ずさんな設定にツッコミは入れまい……)」
監督「だが彼ほどの技術者でも一ヶ月は掛かると言われてな……仕方なく時間稼ぎを設けたわけだ」
妖夢「なるほど。この大会は全て通して25日間。だいたい一ヶ月ですね」
エーリッヒ「ところが完成が近づいたころ、ちょっとマズいことになりましてね」
監督「そこの小悪魔と毛玉がやたら我々を嗅ぎ回ったせいで我々の計画がバレそうになったのだ」
毛玉2「すまないだす……」
ルーミア「いや、でも毛玉は悪くないだろ……余計な疑惑を招いた連中が悪い」
エーリッヒ「仕方なくこんな手荒な手段を用いて、時間を稼がせてもらったというわけだ」
小悪魔「私に非があるにしても手荒すぎる! 行動まで制限された私の立場がないぞ!?」
幽香「ごめんごめん、けど自殺までしないようかなり強烈にしておいたから、ね?」
ミスティア「……それはフォローなのかしら?」
メリー「じゃあ、あの紅魔館やらのは」
監督「無論演技だとも。それ相応の報酬を払って虚偽の証言をしてもらった」
蓮子「……なにやってんだか」
霊夢「てか監督! 人を勝手に悪者に仕立て上げないでください!」
魔理沙「だぜ。私なんて辛くて口を噤むしかなかったんだぜ」
メリー「やっぱあんたらも演技だったわけね……」
幽香「そうそ。けど、私たち別に嘘付いてたわけじゃないでしょ?」
監督「そうだとも。エーリッヒ君は確かに皆のため技術を使ってくれた」
マイ「あー、前半そんなこと言ってたね」
ユキ「えーと、ごめん要約してくれない? 私まだよくわからなくて……」
幽香「つまり、そこに居る本物の魅魔を全盛期同然にしてあげますよ、ってことよ」
ユキ「なーるほど! ……でええええ!?」
エーリッヒ「幸いにもギリギリ完成しました。後は魅魔くんの同意さえあればすぐにでも行えます」
監督「さて、どうするかね?」
魅魔「……やめとくよ」
メリー「ええええええ!?」
小悪魔「おいこら魅魔! なんで断るんだ!」
魅魔「そりゃ、さっき言っただろ。もう過去の全盛期なんてどうでもいいんだ」
マイ「でも、せっかく用意してくれたのに……」
毛玉2「そうだすよ。せめて消耗した存在だけでも回復した方が……」
魅魔「けれど、きっと霊夢たちも気づいたはずさ。今更無意味だって」
霊夢「……そうね。過去のあんたの全盛期なんて私がとうに倒しちゃったもの」
幽香「そう考えると今まで何にこだわってたのかしらねー」
エーリッヒ「そうですか。ま、オールマイティなエネルギー貯蔵術ですから、腐ることはありません」
監督「魅魔君本人が不要だと考えるならいたし方ないな」
魅魔「大暴れするには全然足りないかもしれないが、細々と生きる分には十分力も回復した。これでいいんだ」
メリー「……そう。納得したならもういいわ」
マイ「もったいないよー、絶対もったいないよー」
ユキ「全盛期のキャプテン見たかったよー……」
魅魔「よしよし、無いものねだりするんじゃないよ。どうせもう失ったものなんだ」
メリー「そうよ。本人がもう納得した以上私たちも飲むしかないわ」
小悪魔「そんなことより、例えあんな形でも私たちは勝った!」
ミスティア「そうね。昨日は偽の祝いで軽くごまかされそうだったけど」
ルーミア「よく考えなくてもうちのキャプテンがあんなにあっさりとした終わりで済ますわけがないのか」
妖夢「祝いましょう、皆さん」
リリーW「(だな、ほら顔上げて!)」
玄爺「ひかぬこびぬかえりみぬ」
毛玉2「優勝おめでとうだすー!」
一同「わあああああああああああああ!」
ジャック「(台詞無くなったー!)」
蓮子「(あんた冷遇されすぎー)」
メリー「じゃあ一丁魅魔にスピーチしてもらうか!」
魅魔「で、でえっ!?」
一同「パチパチパチパチ!」
魅魔「あんま面と向かって言うのも恥ずかしいんだがねえ……」
あーっと、皆。長い間お疲れ様。
皆の協力のおかげで、私たちのチーム「ひかぬこびぬかえりみぬ」は優勝できたよ。
思えば、最初はマイ、ユキの二人と私だけのチームだったんだね。
次の試合から増えちゃったが……ほんと、最初から居てくれた二人には感謝してし尽くせないよ。
そしてジャック。散々馬鹿にしておいてなんだけど、それでも四話からうちの正GKを立派に果たしてくれた。
よくぞまあ最後まで投げずに付き合ってくれたよ。ありがとう。
初登場(四話)にして蔑称を付けられ、六話からドヘタレロードを歩んできたミスティアも忘れちゃダメだね。
最初は浮きつ沈みつの、チームのアクセントみたいな存在だったけど……最後辺りの活躍は流石だったよ。
正直あんたの存在がうちの優勝に繋がったと思ってる。感謝してるよ、ミスティア。
あんまり長々言っても仕方ないからまとめちゃうけど、他の皆ももちろんかけがえの無い存在だった。
うちはあと誰一人欠けてもダメだった。「ひこか」にならなかったんだ。
私なんかを信じて、ずっとついてきてくれたこと。共に戦ってくれたこと。共に悲しみ、喜んでくれたこと。
それが私には、なによりも嬉しかったよ……
これで全てが終わり、皆もとの生活、もとの世界に戻ってしまうね。
悲しいけれど、もともとそうなる予定だったんだ。
未練を持つ、名残を惜しむのはいい。けど、あんたらを必要としてくれている人がきっと居る。
その人たちのところへ戻ってやってくれ。なぁに、幻想郷の中に居ればいつだって会えるさ。
ほんとありがとう。……愛してるよ、皆。そして「ひこか」。
マイ「キャプテン〜!」
ユキ「うわあああああん」
メリー「うわー!? マイユキの顔から液という液が!?」
ミスティア「そうね、いつまでも恨みがましくしてるわけには行かない……別れは来るわよね」
ルーミア「けど会えるのか。いつか、いやすぐにだってさ」
リリーW「(つーかあれか、ミスティアって確か八目鰻屋だったよな?)」
妖夢「そこに行けば皆迷わず集まれるんじゃないですか?」
ミスティア「お、いいわね! 皆何か暇でも出来たらいらっしゃい、一杯くらいならサービスするわよ!」
玄爺「わしはひこかの伝説を踊りとして代々伝えて行きたいですぞ」
小悪魔「悪い、それは遠慮しておく」
毛玉2「皆でまた集まってまた馬鹿騒ぎ……楽しそうだす」
ジャック「ですね。そんなのなら私も普通に参加できますか」
蓮子「私も忘れないでよー?」
魅魔「よーっし、別に日は決めない、皆がたまたま集まったのが呑みの日だよ!」
メリー「おっけー。楽しみね」
魅魔「じゃ、もう全部終わったね。別れの時間だよ」
マイ「うん、悲しいけどもうわかった」
ユキ「私たちも早く神綺様や夢子姉さんに会いたいものね」
リリーW「(リリーBと暫く会ってないな……SBGK? ありゃ別モンだ)」
ジャック「私紅魔館に入れてもらえるんでしょうか?」
ルーミア「私は群れに還るのかー」
ミスティア「群……ごめん場所教えてくれない? そっちに近づかないから」
妖夢「しばらく庭の手入れもしていませんね、忙しくなりそうです」
玄爺「わしはゆっくり博麗神社で眠りますぞー」
毛玉2「おでは他の毛玉たちと共に故郷へ帰るだす」
小悪魔「しばらく図書館の仕事を後輩に押し付けっぱなしだったからなあ。パチュリー様怒ってなきゃいいけど」
メリー「私たちはもう暫く幻想郷に留まるわ」
蓮子「そういえば未だ帰る方法がわからないのよね。なんとかして監督から聞き出さないと」
魅魔「よし、皆、ほんとありがとう! さよならだ!」
一同「さよなら!」
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