メス猫の避妊手術

避妊手術。
生き物本来の機能、それも生命の根源に関わる機能を人為的に奪う行為として、忌避する意見。
日本では猫の生活圏は人間と一緒になっており、人間の決めたルールの中で生きているのが現実。
無計画な出産は、結局猫を不幸にするのだから、積極的に行うべきという意見。
地域ごとに生活環境の差があるため、一概にどうするのが良いかは言えないと思います。

ここでは、そういった倫理、社会的な善し悪しではなく、
ウチの猫が避妊手術をする際に、お医者さんに教えてもらった事を紹介したいと思います。


なぜ避妊手術をしようと決めたか

ウチの猫はメスですが、完全室内飼育のため、
妊娠を避けるための避妊手術は、必要ありませんでした。
発情期の間だけ、ちょっと鳴き声がウルサイのを我慢すれば〜と思っていました。

猫の発情期は、春秋2回のはず。
ところが、ウチの猫は最初の発情期を迎えてから、一向に治まる気配を見せません。
季節を問わず2週間おきくらいに発情を繰り返しました。
さらに、発情中は、普段はちゃんとトイレでしているオシッコを、
ところかまわずするようになりました。

お医者さんに相談したところ、ホルモンバランスや栄養状態によっては、
季節を問わず発情する猫もいること、
オシッコは、交尾ができない欲求不満が原因と思われること等を教わりました。
また、発情の強い猫は、高齢になった時、
子宮蓄膿症等、生殖器の病気になりやすいとも言われました。

その他、下記のリスクとメリットを考慮した結果、
まだ若く体力が充実しているうちに、避妊手術を受けさせる事を決めました。


避妊手術のメリット

メス猫の避妊手術のメリットとして、以下のような事が挙げられます。

・子宮、卵巣を完全に摘出する手術の場合、当然、生殖器の病気にかかるリスクがゼロになる。

・最初の発情期前に避妊手術を受けると、将来乳がんになる可能性が、ほとんど無くなる。
(1回でも発情期を迎えた後では、このメリットはありません)

・発情によるストレス(猫自身にとっても、飼い主にとっても)がなくなる。

・予期しない妊娠、交尾による伝染病の感染を防げる。

*補足 猫の乳がん
猫の乳がんは、触診では気づかないほどの初期から、肺やリンパ節に転移するため、
非常に致死率が高い、恐ろしい病気です。現在の獣医学では根治は難しいようです。
最初の発情期を迎える前に避妊手術を行うと、
将来乳がんになる可能性が、ほとんどゼロになります。

反面、まだ体が出来上がっていない子猫のうちに手術を受けなければならないので、
麻酔等、避妊手術自体のリスクが大きくなります。

手術時期は、猫の大きさ、体調等を考慮し、専門家と良く相談の上、
決める必要があると思います。


避妊手術のリスク

避妊手術のリスクとしては、以下のような事が挙げられます。

・全身麻酔で手術を行うため、麻酔による死亡事故等が起こりうる。

・子宮、卵巣を摘出する手術を受ける場合、当然ながら、2度と子供を生む事はできない。

・手術後、運動量が減り、食欲が増す場合が多いので、肥満に注意が必要。

・ホルモンバランスが崩れた事で、皮膚病にかかる可能性がある。


術後の様子

一泊入院で、子宮、卵巣を摘出する手術を受けました。
手術時の体重は2.8キロ。健康状態は良好。
全身麻酔にやや不安(体重3キロ以上が望ましい)がありましたが、
手術は無事に済みました。

退院1日目
お腹の傷をかばって、ほとんど動けません。
食欲は無く、水に栄養剤を混ぜたものを少し舐めさせました。
抗生物質を飲ませて、後は、猫の好きにさせていました。
心配だからといって、触ったり、抱き上げたりは厳禁。飼い主もじっとガマンです。

退院2日目
相変わらずほとんど動けず、食欲もありません。
トイレでオシッコをしました。

退院3日目
食欲回復。ウンチもしてます。だんだん動けるようになってきて、一安心。

退院4〜7日目
ほとんど通常通りの生活ができるように。
高い所に飛び乗ったり、飛び降りたりもしています。
傷が開かないかと、飼い主の方が心配してしまいました。

退院8日目
抗生物質も全て飲みきり、病院へ行き、抜糸。

その後
抜糸直後は、傷跡がやや盛り上がった感じでしたが、1ヶ月くらいでそれも無くなりました。
オシッコ撒き散らし等の問題行動もなくなりました。幸い、肥満や皮膚病も大丈夫でした。


最後に

避妊手術の体験談や知識をまとめてみましたが、
実際に手術を受けるかどうか等は、必ず信用できる獣医師に相談し、
健康診断と充分な説明を受け、納得した上で判断をして下さい。