ガラスいっぱいの顔(不明)
私の先輩、T氏の体験談である。
ある晩、知り合いと車でドライブをしていた晩、高速道路の
乗り口まで差しかかった時である。その知り合いと言うのは非常
に霊感の強い人らしく、その前にも霊体験などを話していた
そうであるが乗り口の坂の途中で、前を見ていた目を一瞬
そらしたそうである。その時T氏も少し背筋が寒い気がしたそう
である。
しばらく二人の間に沈黙があったのだが、その知り合いが重い
口を開いたそうである。
「お前、高速の入り口んとこで何んも見えへんかったか?」
「いや・・・」
「そうか・・・良かったな。」
おかしな事を言うなと思い、詳しく聞くとその話にT氏は大変
恐怖したと言う。
彼が見たものはフロントガラスいっぱいに広がる、巨大な顔
だったと言う。その恨みに満ちた顔の大きさは目玉の白目の
毛細血管までハッキリと見えたという。しかもその顔は去りざまに
嫌な低くとも高くともない声で
『違う・・・』
とつぶやき、その声は確かに聞こえたそうである。霊感があっても
強い意志がなかったら事故してたやろな・・・と彼はT氏に言った
そうである。
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