恐怖の残業(大阪市西梅田)
これは聞いた話なのですが、友人Nの働いている某会社は人数が多くなったのと、業務を区切
るために隣りに建っている雑居ビルの一室を借りることにしたそうです。もともとあったビルにも
幽霊話はあったんですが、その隣りの雑居ビルは特に多かったそうです。友人Nも雨の日に
スリガラスの窓の向こう側の廊下に立つ人影を見た事があるほどでした。そして何故か23時以降
は早く帰宅するようにとまでなってしまいました。
ある晩、A子さんは沢山の仕事をこなしていたため、時間を忘れていました。
部屋に、異様な雰囲気を感じたため慌てて時計を見ると既に23時を越えていました。更に部屋の
異様な雰囲気をよくよく感じてみると確かに部屋の中にもう一人いて、ゆっくりと何かを探すか
のように動いているのでした。その息使いも確かに感じ取れたそうです。これが噂の幽霊かと
思ったA子さんは霊感も少しあったそうなので、霊を刺激しないよう、心の中で出来る限りの
速いスピードで、実際は出来る限りのゆっくりとした速さでノートパソコンや筆記具を鞄に
しまい始めました。その霊はゆっくりとした動きであるが、確実にA子さんに近づいて来ていま
した。
ようやく帰り支度ができ、早足でドアに向かい、部屋のドアにカギを閉めエレベーターへ向う
廊下を走って行きました。しかし霊がこちらをつけて来ている気配はありました。そのフロアは
8階だったのでエレベーターはゆっくり上がって来ます。A子さんは只ひたすらエレベーターが
来るのを願いました。その気配はもう背後、5メートルほどに近づいている気がしました。
ゆっくりとドアが開きA子さんは飛び乗りすぐに『閉』を押しました。何とか逃げ切れたと
思い安心感で胸を撫で下ろしました・・・が、その時すでにA子さんの真後ろに、その霊は立っ
ていたのです。後ろに息遣いを感じ、生きた心地はしませんでした。どうする事も出来なく
後ろを見ないよう、ずっと行き先パネルを睨みつけていました。5・・・4・・・3・・・2・・・
いつもの三倍以上遅く感じましたがやっとの事で1階に着いたのでゆっくりと開くドアの外に飛
び出ようとしたその時です!
後ろにいたはずの霊がゆっくりとA子さんの体の中をすり抜けながら、追い越し開いたドアの間
からその顔を見せました。
その顔は怒りとも悲しみともどちらとも取れない寂しい顔だったそうですがA子さん恐怖の
あまり顔を押さえしゃがみ込みました・・・震えながら、そのままでじっとしていた時間は1分
もなかったらしいですがA子さんには30分にも感じたそうです。そして凄い勢いで立ち上がると
周りをなるべく見ないように走り去ったそうです。
それ以来、A子さんはまだ働いていますが、23時以降の残業は決してしないそうです。
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