Famous Writerの音声機能は、4つのファイルを同時に再生できます。
再生命令を与える所を「バス」といい、それぞれBGM,SE,SND,Voiceという名前がついております。
それぞれの性質を考え、BGMバスはループ再生の音楽、SEバスは風や波や雑踏の音などの持続的な環境音、SNDバスは単発の効果音、Voiceバスはセリフ再生に、それぞれ特化した初期設定になっております。
具体的な命令の記述は、BGM,SE,SNDバスは命令行で制御いたします。
Voiceバスはテキストと同時使用する頻度が高いと思われるので、インライン命令で制御いたします。
# BGMバスにファイルを読み込む命令 &BGM.Load = /bgm/hoge.m4a; # BGMバスを再生 &BGM.Play;
Famous Writerには、固有のフォーマット制限がございません。
AIFF/WAVE/MIDI/AAC/MP3など、フォーマットを問わず、独立して再生できます。
ただし要QuickTimeというか、扱えるフォーマットは、動作させるパソコンにインストールされたQuickTimeに準拠します(Windows制限モードでは、DirectSoundが扱えるWAVEのみ再生できます)。
さらにQuickTimeインストール下では、MIDIファイルは、音源にQuickTime™ Musical Instrumentsを採用することで、違うOSでも同じように再生されます。使用者各位のシステムが違うために曲の聴こえ方が変わる、というようなことはほぼございません。
Famous Writerは、32個のバーチャルトラック(仮想トラック)を持っており、これを任意の4バスにアサインして(割り当てて)使います。
なお、起動直後の状態では、すぐ使えるような設定でアサインされており、上記のバスの所でご説明申し上げたとおり、BGMバスは音楽の再生に特化した設定などになっております。
従いまして、複雑な事をしない限り、この内部構成を理解する必要はありません。
Famous Writerに慣れる前でも、安心してお使いいただけます。
ところで、トラックとバスと申しますと、輸送用機器みたいです(笑)。
語源は、バスはBusでそのまま乗り合いバスですが、トラックは乗り物のTruckではなく、陸上競技のTrackです。
録音業界の用語なので、ゲーム作りにおいては、サウンド担当の方などはすぐご理解いただけるかと思います。
バーチャルトラックは、一対一で対応したチャンネルに入り、その後バスに入り、マスターセクションでミックスした後、パソコンから出力されます。
録音機器的なスペックとしては、32バーチャルトラック、32チャンネル、4バス、マスターセクション、ということになるかと思います。
図示すると、以下のようになります。

大まかに申しますと、バーチャルトラックはファイルを扱い、チャンネルは再生設定をし、バスは再生停止などを実行し、マスターセクションはOSやQuickTimeとの入出力をします。
この設計により、レコーディングやミキシングの現場と同じような感覚で、音響を構築することができます。
バーチャルトラックとチャンネルの関係は、テープレコーダー(テレコ)とミキサーの関係に似ています。
32トラックのテレコから32チャンネルのミキサーへ、パラで接続された状態に近いものです。
トラックに対する命令(LoadやClearなど)はテープの差し替えに相当し、ファイルが変更される度にデフォルト値に戻ります。
チャンネルに対する命令は、ミキサー上でのセッティングになりますので、ファイルが変更されてもそのまま残ります。
バスも、そのミキサーにあるバスとお考えいただくとわかりやすいかと思います。
ただし、バスはシンセで言うモノフォニックになっておりますので、複数のチャンネルをアサインする事はできません。
逆に、1つのチャンネルから複数のバスにアサインすることはできます。
また、再生停止などの命令はバス上で行われますが、これはバスにテレコのリモコンがついているとお考え下さい。
命令は、バスを通した記述になります。
例えば、&BGM.Load命令は、BGMバスにアサインされたバーチャルトラックに対する命令になります。
バスにトラック及びチャンネルをアサインするには、&BGM.No命令などを使います。
これはずっと記憶されておりますので、命令使用の都度に切り替える必要はありません。
チャンネルの設定はsetting.txtなどで起動時にしておき、「トラックでファイルの入れかえ→バスでの再生停止」、というのが、命令の記述としては一般的な流れになるかと思います。
各チャンネルが独立した設定を持っておりますので、ゲーム中の登場人物ごとにセリフの音量やミュートを設定するような使い方ができます。