NHK番組への介入問題の再考                           

             筆 者   解 法 者
※ 落葉注記

NHK対朝日新聞のケンカです。マングースとハブの戦いでしょうか。どちらがマングースかは知りませんけど。

さすがに二大国賊メディアに相応しく、問題の焦点を完全にずらしてしまっている、と私は見ていますが、

この問題に関して解法者さんが該博な知識を御披露され、冷静且つ客観的分析をされております。

no   項  目
1 序論
2 「女性国際戦犯法廷」の内容(1)
3 「女性国際戦犯法廷」の内容(2)
4 「女性国際戦犯法廷」の内容(3)
5 「女性国際戦犯法廷」の内容(4)
6 「女性国際戦犯法廷」の批判(1)
7 「女性国際戦犯法廷」の批判(2)
8 「女性国際戦犯法廷」の批判(3)
9 「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(1)
10 「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(2)
11 「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(3)
12 「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(4)
13 「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(5)
14 「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(6)
15 「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(7)
16 「女性国際戦犯法廷」番組と放送規程
17 「女性国際戦犯法廷」番組の規制と放送規程(1)
18 「女性国際戦犯法廷」番組の規制と放送規程(2)
19 「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(1)
20 「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(2)
21 「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(3)
22 「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(4)
23 「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(5)
24 「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(6)
25 「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(7)
26 「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(8)
27 「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(9)
28 「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(10)
29 「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(11)
30 NHK番組の制作者の責任
31 NHK番組への介入問題の報道のあり方
32 NHK番組への介入問題の報道のあり方(2)
33 NHK番組への介入問題の報道のあり方(3)
34 NHK番組への介入問題の見識者の見解(1)
35 NHK番組への介入問題の見識者の見解(2)
36 NHK番組への介入問題の見識者の見解(3)
37 NHK番組への介入問題の見識者の見解(4)
38 NHK番組への介入問題の見識者の見解(5)
39 NHK番組への介入問題の見識者の見解(6)
40 NHK番組への介入問題の見識者の見解(7)
41 NHK番組への介入問題の見識者の見解(8)
42 NHK番組への介入問題の見識者の見解(9)
43 NHK番組への介入問題の見識者の見解(10)
44 NHK番組への介入問題の見識者の見解(11)
45 NHK番組への介入問題の見識者の見解(12)
46 NHK番組への介入問題の見識者の見解(13)
47 NHK番組への介入問題の見識者の見解(14)
48 NHK番組への介入問題の見識者の見解(15)
49 NHK番組への介入問題の見識者の見解(16)
50 NHK番組への介入問題の見識者の見解(17)
51 NHK番組への介入問題の見識者の見解(18)
52 NHK番組への介入問題の見識者の見解(19)

NHK番組への介入問題の再考

(1)序論

 この問題について様々な見解が述べられている。そこで、論点を整理して見たい。

1、「女性国際戦犯法廷」の番組は、NHKの放送指針(放送法)に反していなかったか。
2、「女性国際戦犯法廷」の番組の放映について、NHKの番組編成についてどのような検証が行われていたか。
3、一度、放映された番組については、政治家による批判は許されないか。許されるとし たら、どの範囲の者が許されるか。政府関係者の批判は許されるか。その範囲はどのように考えるべきか。
4、安部普三氏および中川昭一氏は、いつ、どのような批判を行ったのか。
5、「女性国際戦犯法廷」の番組の放映について、誰がどのような責任を負うか。
6、安部普三氏および中川昭一氏は、どのような責任を負うか。





NHK番組への介入問題の再考

(2)「女性国際戦犯法廷」の内容(1)

 「女性国際戦犯法廷」の次のHPを見ると、これは主として次のものであった。
  http://home.att.ne.jp/star/tribunal/abouttribunal.htm
 なお、女性国際戦犯法廷の全記録 、、(「戦争と女性への暴力」ネットワーク(VAWW-NET)編―緑風出版)も参照した。

 主催者は、「尹 貞玉」、「松井やより」、「インダイ・サホール」の3氏で、彼らは、「女性国際戦犯法廷」を開くことについては「戦争と女性への暴力」ネットワーク(VAWW-NET)のメンバーが1998年4月国連人権委員会に参加するためにジュネーブに集まったときに初めて議論し、その直後、ソウルで開かれた第5回「慰安婦」問題アジア女性連帯会議で、「戦争と女性への暴力」ネットワーク(VAWW-NET)が正式に提案し、韓国を初め被害国からの支持を得た。その結果、VAWW-NETジャパン、韓国挺身隊問題対策協議会、女性の人権アジアセンター(ASCENT)とその他の日本軍性奴隷制被害国、および女性への暴力や武力紛争の問題に取り組んでいる女性たちによる国際諮問委員会で国際実行委員会を1999年に発足させ、この法廷を開く主催者になった。

 法廷の目的は次のようであった。
1 各国から「慰安婦」に対する犯罪の重大な性格を浮き彫りにする証拠を受理し、日本政府とその軍隊の責任を明らかにすること
2 犯罪のジェンダー的な性格を明確に分析し、戦争犯罪、人道に対する罪、ジェノサイドの罪についてジェンダー的なアプローチを確立すること
3 アジアの「慰安婦」に対する犯罪の性格を明らかにするのに国際社会を巻き込み、日本政府のとるべき措置を特定すること
4 戦争と武力紛争下の女性に対する暴力の問題に取り組む国際的な運動を創ること
5 女性に対する戦時性暴力の不処罰を終わらせ、このような犯罪が将来再発するのを防ぐこと 






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(3)「女性国際戦犯法廷」の内容(2)

 法廷を構成する者は、裁判官と検察官のみで「弁護人」は全くいなかった。
 検察官には、北朝鮮からも2名が就任し、「鄭 南用」(法学博士、共和国国際法学会常務委員)、「黄 虎男」(「従軍慰安婦」太平洋戦争補償対策委員会事務局長)であった。
 このうち「黄 虎男」は北朝鮮の工作員であるとされ、日本政府から入国を拒否されている。
 被告人は、天皇裕仁、松井石根、畑俊六、寺内寿一、板垣征四郎、東条英機、梅津美治郎、小林齎造、安藤利吉、山下奉文、いずれも「故人」である。
 起訴内容は、次のとおりである。ただ、これは日本を含む次の各国の共通のもので、朝鮮、中国、フィリピン、台湾、オランダ、インドネシア、東ティモール、日本から個別に起訴状が提出されている。日本国家も被告となっている。
 これらについては「女性国際戦犯法廷の全記録 、(「戦争と女性への暴力」ネットワーク(VAWW-NET)編―緑風出版 2002年7月30日発行―以下 前掲書という)を参照されたい。

第1部(個人責任)
1、人道に関する罪(訴因 1)
 軍奴隷制度(慰安所)を設置し、女性に性的奉仕を強いた。
2、 人道に関する罪(訴因 2)
 女性に対する性的暴力が加えられた。
3、先の各国で行われた個別強姦行為(訴因 3)。

第2部(日本国家責任)
1、 朝 鮮
 朝鮮植民地支配
 慰安婦への動員
2、 中 国
 軍奴隷制度の実施
3、その他の国―省略

 起訴(犯罪)の対象は、女性に対して行われた犯罪)で、戦争犯罪、人道に対する罪、その他の国際法に基づく罪となっている。
 「法廷」の管轄権は、第二次世界大戦前・中に日本により植民地とされ、支配され、あるいは軍事占領されたあらゆる国と地域、ならびに同様の被害を日本から受けた他のあらゆる国に及ぶ。 「法廷」が裁く犯罪は、強かん、性奴隷制その他のあらゆる形態の性暴力、奴隷化、拷問、強制移送、迫害、殺人、殲滅を含みますが、それらに限定されない。
 公訴時効については、それがない(公訴時効が適用されない)とされている。







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(4)「女性国際戦犯法廷」の内容(3)

 審理は、2001年12月7日から12日まで行われた。

 判決は、2001年12月12日に言渡され、概要は次のとおりである。

1、 天皇裕仁に対する判決
 人道に関する罪、強姦罪、性奴隷制に関する罪につき有罪
2、判決理由
 天皇裕仁を人道に対する罪について刑事責任があると認定する。そもそも天皇裕仁は陸海軍の大元帥であり、自身の配下にある者が国際法に従って性暴力をはたらくことをやめさせる責任と権力を持っていた。天皇裕仁は単なる傀儡ではなく、むしろ戦争の拡大に伴い、最終的に意思決定する権限を行使した。さらに裁判官の認定では、天皇裕仁は自分の軍隊が「南京大強かん」中に強かんなどの性暴力を含む残虐行為を犯していることを認識していた。この行為が、国際的悪評を招き、また征服された人々を鎮圧するという彼の目的を妨げるものとなっていたからである。強かんを防ぐため必要な、実質的な制裁、捜査や処罰などあらゆる手段をとるのではなく、むしろ「慰安所」制度の継続的拡大を通じて強かんと性奴隷制を永続的させ隠匿する膨大な努力を、故意に承認し、または少なくとも不注意に許可したのである。さらに我々の認定するところでは、天皇は、これほどの規模の制度は自然に生じるものではないと知っていた、または知るべきであったのである。
 いこの暴力が1945年当時までの法では犯罪とみなされていなかったとする日本政府の主張を細心に検討した。我々の認定では、人道に対する罪----侵害行為の中でも最もすさまじいものの一つ----は、戦後の各法廷で訴追されるべきであったものであり、また、現在適切に訴追されるべきであった。さらに我々の認定では、強かんと性奴隷制は、広範囲、組織的、または大規模に行われた際には、人道に対する罪を構成する。1945年までに、強かんと奴隷化の両方ともが国際法のもとで極悪な犯罪として長く認められていた。性奴隷制は新しく犯罪とされたものではなく、むしろ奴隷化の特に残虐極まる、侵略的で破壊的な形態である。奴隷化とは「人に対して所有権に伴う権能の一部または全部を行使する」ことと定義されている。奴隷化には、強制的または詐欺による移送、強制労働その他の人間を所有物として扱うことが含まれる。「慰安婦」たちを軍需「物資」の一部として徴発したことは、今日の世界でもあまりにも広く見られる女性差別・人種差別的態度に根ざす性奴隷制が、主としてアジア太平洋地域の貧しい非・日本人の女性に向けられつつ前例の ない規模で制度化されたことを示している。






NHK番組への介入問題の再考

(5)「女性国際戦犯法廷」の内容(4)

3、日本政府に対する判決

 日本政府が、、「慰安所」制度の設置と運営について、国家責任を負う。

  http://www1.jca.apc.org/vaww-net-japan/womens_tribunal_2000/judgment.html

 判決の内容については「女性国際戦犯法廷の全記録 、(「戦争と女性への暴力」ネットワーク(VAWW-NET)編―緑風出版 2002年7月30日発行―以下 前掲書という)を参照されたい。







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(6)「女性国際戦犯法廷」の批判(1)

1、 死者は裁けない。被告人になりえない。

 近代法の原則で説明するまでもない。

2、 弁護人がいない。

 これは、いかなる理由があろうとも許されるものではない。弁護人抜きの裁判は一方的な断罪を行うもので、法廷そのものが効力を有しない。
 なお、この点について、女性国際戦犯法廷は、「日本国家の責任」を問うため、開催2ヶ月前に全裁判官 の名前で、当時首相であった森嘉朗氏に被告側弁護人(被告代理人)の出廷を要請した。しかし、開催直前になっても何の応答もなかった。従って裁判官は「アミカスキュリエ」(法廷助言人※)という形で被告側の弁護を取り入れた。「法廷」では3名 の弁護士がアミカスキュリエとして被告側主張を行い、「慰安婦」問題についての日本政府の立場や主張を明確に紹介し、被告が防御できない法廷の問題点を法廷のなかで指摘した。
 
※ Amicus Curiae 裁判所の求めに従い、裁判所に対し事件についての専門的情報また は意見を提出する第三者。英国の制度で、弁護人がいない場合、市民の中から弁護人を要請できるという制度
 
 まず、この制度について検討する前に「弁護人」を「森 嘉朗」氏に要請したというが、彼が受けるはずもない。「弁護人」は受任を応否する権利がある。受任しないならば他を当るべきである。これを行った痕跡がない。まぁ、アリバイ作りであろう。
 また、3名 の弁護士がアミカスキュリエとして被告側主張を行ったというが、「女性国際戦犯法廷の全記録 1 」(VAWW.NET Japan 編 緑風出版 2002年5月25日発行)を見ても、法廷第3日(2000年12月10日)の午後5時42分から6時までのわずか18分で、しかも2名で、そのうち、鈴木五十二のみが、実質の「アミカスキュリエ」である。陳述時間は10分足らずだったと考えられる。
 4日に渡る審理のなかでわずか10分足らず、これで弁護できるはずもない。
 さて、「アミカスキュリエ(法廷助言人)」の制度である。これは「英米法」の制度で、弁護人を補佐する制度である。つまり、弁護人は付されているがこの活動が不十分でないときに第三者が「意見書」を提出できるというもので、弁護人でもなく、訴訟当事者でもない。したがって、法廷活動で可能なものは「意見書」の提出のみで、証拠の提出も証人の申請および既存の承認の尋問もできない。そうだろう。近代法治国家では刑事事件には「弁護人」が付されている。これと同等の権利を有する者など不必要である。<弁護人がいない場合、市民の中から弁護人を要請できるという制度>ではない。
 本法廷においても、法廷助言人「鈴木五十二」が意見の陳述に止まったのはこの意味である。したがって、法廷助言人が「弁護人」の代わりを務めたなどと強弁するのは制度の趣旨を全く理解していないのである。
 なお、「アミカスキュリエ(法廷助言人)」のアメリカの制度については下記に説明してある。
  http://www.jclu.org/katsudou/seimei_ikensho/20000920essay_body.html







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(7)「女性国際戦犯法廷」の批判(2)

3、人道に関する罪は適用できない。

 「人道に関する罪」が国際法上認められたのは、1950年の国際連合の総会の決議によってである。
 人道に関する罪とは、通常の戦争犯罪または平和に対する犯罪として行われ、あるいはこれに関連して行われる、あらゆる一般住民に対して犯された殺人、殲滅、奴隷化、強制的移送およびその他の非人道的行為もしくは政治的、人種的または宗教的理由に基づく迫害をいう。これは、第二次世界大戦中の連合国において枢軸国の戦争犯罪人を処罰するために、それまでの「戦争犯罪」を拡大するもので、「平和に対する罪」および「人道に対する罪」を新設した。これらは、ドイツ、イタリアを裁く国際軍事裁判所条例および日本を裁く極東国際軍事裁判所条例の名で制定されたものである。先の「人道に関する罪」はこれらの条例を基にして創設されたものである。なお、これについては「時効」がないとされる。先の国際連合の総会決議にも謳われているが、これは次の「戦争犯罪(戦時犯罪)」の例外をなすもので、1950年の決議以前の行為には適用されない。
 したがって、「人道に関する罪」はその1950年の決議以前の行為には適用されない。
このことは世界各国がこぞって採用している近代法の原則である「刑罰不遡及」、「罪刑法定主義」からも明らかである。わが憲法にも規定がある。もちろん、この考えは国際法学者の定説となっている。

4、 その他の戦争犯罪(戦時犯罪)にも該当しない。

 戦時犯罪とは、交戦国の兵力に属する者に対する戦争法規の違反、兵力に属しない者の敵対行為、戦時反逆(当事者国にいる敵性人(敵国人、中立国人など)の敵対(反逆)行為)、スパイ行為、5、戦場での剥奪行為、で、交戦国がその戦時中に逮捕し、自国の法に従って裁判で処罰するもので、戦後はそれをなしえないとされていた。したがって、戦争終了後にはもはや処罰することができなかった。また、戦時犯罪とは先の5つに限られ、「平和に対する罪」および「人道に対する罪」などは考えも及ばなかった。






NHK番組への介入問題の再考

(8)「女性国際戦犯法廷」の批判(3)

5、 その他の国際条約などにも違反しない。

 先の「女性国際戦犯法廷」は、天皇などが、1907年の「陸戦ノ法規慣例ニ関スル」ハーグ条約、1921年の「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約」、1930年のILO「強制労働禁止条約」などがある。日本はまた国際慣習法の規範にも違反しており、1907年のハーグ条約や1926年の奴隷条約の中で表現された国際慣習法の規範への違反が含まれる。とするが、日本はこれを批准していない。
 およそ、国際条約は国家間の合意で、これがなされないものは適用されない。さらには、これらの条約は国際慣習法とはなっていない。「国際慣習法」とは、法的拘束力を有する国際慣習であって、諸国家が相互にそれを将来においても実行することを黙示的に了解し、黙示の合意が成立している場合である。これは条約が未成熟の時代の法で、条約が整備されてからは意義を有しないものである。これらのものは条約として存在するのであって、「国際慣習法」として認められてはいない。これも国際法学者の定説である。

6、 日本国に対する責任も問い得ない
 
 先の「人道などに関する罪」が適用されないのは、「刑罰不遡及」の原則から言っても当然のことであり、加えて「国家不答責の原則」からいっても当然のことである。
  ※ 国家不答責の原則―下記を参照されたい。
  http://www31.ocn.ne.jp/~matsuo2000/D/Kaihosha8.htm

 したがって、「女性国際戦犯法廷」の判決は妥当性がない。






NHK番組への介入問題の再考

(9)「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(1)

 これを、「女性国際戦犯法廷」側の資料から検討する。当然、NHK側からの反論もあろうが(裁判で明らかになっている)、本題の論点から離れるので、これを省略する。
 なお、http://www.bro.gr.jp/kettei/k020-nhk.html から引用した。
 概略すると、番組内容が大幅に改定され、2001年1月30日に「問われる戦時性暴力」のタイトルで放映された番組には、「法廷」のフルネームも、主催者も、起訴内容も、「天皇有罪、日本の国家責任」を認める判決も全く紹介されず、「法廷」を評価する解説者のコメントもカットした。そして、番組は「秦 郁彦」日本大学教授が、「法廷」を批判し、「慰安婦」制度は売春で証言は根拠がない、などというコメントを流した。というものである。

1、出演契約の成立と収録について
 NHKは、現在、世界各地で改めて戦争を人道に対する罪」として問い直す動きがあることから、これを紹介し和解への道筋を考察するため、「戦争をどう裁くか」という4回シリーズの番組を企画した。このうち第2回の「問われる戦時性暴力」は、慰安婦問題などを取り上げた日本初の女性による民間法廷である「女性国際戦犯法廷」(以下「女性法廷」という)を素材とするものであり、第3回の「今も続く戦時性暴力」は、女性法廷に関連して開催された被害女性からの訴えを取り上げた「国際公聴会」を素材とするものであった。
 女性法廷の主催者は、NHKから制作委託されたNHKエンタープライズ21(以下プロダクションという)から第2回と第3回について、研究者の立場から「女性法廷」と「国際公聴会」の世界史的、思想的意義についてコメントするよう出演依頼を受け、同シリーズの企画から関与していたコメンテーター高橋哲哉氏の助言もあって、同じくコメンテーターの立場で出演することを承諾した。
 2000年12月27日主催者らをコメンテーターとして収録が行われたが、第2回の当番組は「裁きと和解」を主題として、申立人は「女性法廷」の意義について、フェミニズムと歴史の双方の視点から論評を行った。収録部分は約51分、使用VTRは約30分で計81分に及んだため、番組として44分以内に収めるためには大幅な編集作業が必要となった。






NHK番組への介入問題の再考

(10)「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(2)

2、編集の内容
 NHKをはじめ各放送局は、通常、収録した素材等を主題に応じてより分かり易い発言内容に絞り込むなど整理し、放送時間内に収まるように編集することが可能である。ただし、そうした編集を行う際には、発言の重要かつ本質的な部分(発言の趣旨又は核心部分)を改変しないよう慎重さが求められる。この点につきNHKも、「本質に触れるような編集をしない限り」編集は自由であるとしている。しかし、本件のようなコメンテーターの発言は、研究者や専門家としての立場から論評するのであるから、削除が発言の核心部分の改変にならないようにより一層慎重な対応が要請される。

(1)「裁き」についての発言の削除
 主催者の当番組での基本姿勢は、「女性法廷」の「裁き」による責任の明確化を積極的に評価し、それに根拠づけられた謝罪を経て和解の道筋を見い出そうとするものであった。すなわち、主催者の立場からは和解に至る過程として「女性法廷」の裁きによる責任の明確化が重要な意味を持っていた。
 ところが、NHKは主催者が「女性法廷」について重視し、大事だと指摘していた「裁き」に関する部分、たとえば「日本軍あるいは日本政府が、かつて過去に犯した行為が犯罪であったかどうか、その判断ですね。つまり、裁きですね。それを下す手段も経ないまま、したがって、処罰されず免責されたまま」とか、「法廷が和解を前提としたものではない。和解を予め目指したものではない、ということが大事だと思うんです」などの部分を全て削除している。
 このようなNHKの編集によって、コメンテーターとしての発言の本質ともいうべき「裁き」の部分が全て削除されたため、主催者の発言内容が視聴者に唐突な感じを与えたり、裁きの場としての「女性法廷」の意義を軽視し和解だけを推進する人物であるかのように誤解されかねない状況が作り出されたといえる。その結果、主催者は周囲の人々を中心に疑問や苦情を受けるに至ったことが認められる。
 したがって、NHKが、コメンテーターとしての主催者の発言の本質的な部分を断りなく削除したことは編集の行き過ぎであり、同人の人格権に対する配慮を欠いたものといえる。
 なお、NHKは第2回と第3回は一連のシリーズであり、重複部分を整理して分かり易くし、主催者の発言の趣旨は第3回で生かしていると主張する。
本シリーズの第2回と第3回が密接に関連していること、及びNHKが重複を避け分かり易くしようと努力したことは認められる。しかし、各回の主題に基づく発言の核心部分はその番組の中で生かすのが当然と考えられるから、「女性法廷」の本質といえる「裁き」に関する論評は、他の主題を扱う第3回よりも第2回の当番組で扱うのがより適切であった。また、第3回の番組を通覧しても、「裁き」の重要性について、コメンテーターである主催者の言葉で語られているとは認めがたい。






NHK番組への介入問題の再考

(11)「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(3)

(2)VTRの挿入

 NHKは編集がかなり進んだ段階で、「女性法廷」の描き方や構成内容が主催者側に偏っていると判断し、歴史家秦郁彦氏の取材とコメンテーター高橋哲哉氏の追加取材を行い、各VTRを挿入した。
 こうした編集過程での対応は、放送内容に公平を保ち、論点については多角的に扱うという放送法や放送番組基準などの要請からも一般に認められているものである。
 確かに、「女性法廷」に対し本質的な批判や疑問を投げかける秦発言を急遽加えたり、同法廷の判決の紹介部分が削除されるなど、番組として不自然な感は否めないが、企画の趣旨・意図が変更されたとまでは言えない。
 しかし、NHKは主催者に知らせることなく、「女性法廷」に対し本質的な批判を加えている秦氏のインタビューを後から挿入し、その秦氏の発言の後で司会者から主催者に対し「女性法廷」の意味を問い、主催者の従前の発言をそのまま使用するという編集を行った。そのため、主催者は秦氏の発言内容を知ったうえでコメントする機会が与えられず、秦発言に異論のない同調者であるかのような誤解を招く危険が生じた。その結果、主催者はコメンテーターとしての役割を十分発揮できず、また、これまでの学問的・思想的立場に反し、「女性法廷」の意義と役割を重視しない者であるかのような評価をもたらす恐れが生じた。
 したがって、NHKのこのような編集は不適切であり、コメンテーターとしての主催者の人格権に対する配慮を欠いたものといえる。
 主催者するその余の改変については、いずれも通常の編集作業の範囲内のものであると判断する。






NHK番組への介入問題の再考

(12)「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(4)

 本件シリーズ「戦争をどう裁くか」は、戦争を歴史的、多角的に検証し将来へ繋げようとする意図のもとにNHKが企画・放映したものと認められるが、以下の点で問題があったと考える。
 主催者がNHKから出演依頼を受けてコメンテーターとして出演した第2回「問われる戦時性暴力」は、「女性法廷」を中心に据えた「裁きと和解」を主題とする番組であった。主催者は「裁き」による責任の明確化の上で「和解」が初めて可能性を持つという立場から論評したが、NHKは主催者に断りなく、「女性法廷」の意義について主催者が重要とした「裁き」による責任の明確化の発言部分を全て削除した。このような編集を行う場合には、コメンテーターである主催者に対して、その旨を説明し、了解を得る努力をすべきであった。
 また、NHKは編集過程で、「女性法廷」に対し本質的な批判を述べている秦氏のインタビューVTRを挿入したことを、主催者に伝えなかったが、コメンテーターである主催者へ事前に説明して、意見を求めるべきであった。
 なお、NHKは当番組の制作責任者であるから、主催者への説明を制作委託会社のプロデューサーに任せたとしても、結局は説明をしなかったのであるから、そのことについて責任を免れるものではない。
 本件は、NHKが主催者への説明や了解を経ないまま編集を行ったため、前記のとおりコメンテーターとしての主催者の人格権に対する配慮を欠き、放送倫理に違反する結果を招くことになった。
 本委員会は、放送局が編集を行う場合には、コメンテーターの発言の重要かつ本質的な部分は十分尊重すべきであると考える。NHKは、本決定の趣旨を少数意見を含め放送するとともに、出演者の権利と放送倫理に一層配慮するよう要望する。





NHK番組への介入問題の再考

(13)「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(5)

 以上の委員会の見解はおおむね首肯できる。
 ただ、ここでの「補足意見」が妥当であろう。取材に協力したのにその趣旨が捻じ曲げられたのでは、信義則違反となる。

(補足意見)

 番組参加者の発言は、歪曲等不当な編集に及ばない限り、放送局に編集の自由が広く認められるべきであるが、発言の重要部分の削除等の際には、特にコメンテーターの場合、その旨を告知し、それにつき十分な説明・説得を施すとともに、その者の意見・意向を聞き、番組に生かす努力が放送局には求められると考えられる。「裁き」についての発言削除に関し、NHKはこれを怠った点で放送倫理の違反があった。
 番組制作の過程で重要な変更、発展があった際には、放送局はコメンテーターなど番組参加者にはその旨を知らせ、説明を尽くすとともに、その者の意見・意向を表明する機会を保障し、それを番組に生かすよう努めることが放送局には求められるところ、VTRの挿入に際し、NHKはこれを怠った点で放送倫理の違反があった。ただし、複数の番組参加者がいる場合、ある者に他者の発言へのコメントや反論を当該番組内で確保することまで認めると番組制作は実際上困難に陥りかねない。この点で、それを是認しているととられかねない多数意見は適切とは言えない。






NHK番組への介入問題の再考

(14)「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(6)

 平成17年1月18日(火)、朝日新聞の朝刊で「NHK番組改変、本社の取材・報道」と題する記事が掲載された。この記事の真実性については後ほど詳説したいが、ここでは「NHK番組改変」の経過について述べる。
 NHKは、2000年11月、「戦争はどう裁くか」というシリーズの中で「女性国際戦犯法廷」を取り上げることした。「企画書」は「坂上 香」が作成した(これは、同日のテレビ朝日の報道ステーションの情報)。製作は、NHKの関連会社「NHKエンタープライズ21」に委託し、同社はさらに「ドキュメンタリー・ジャパン(以下 DJという)」に再委託した。「女性国際戦犯法廷」の取材はDJが行った。
 番組編成が進み、2001年1月19日から試写が始まり、NHKの番組制作局教養番組部長は「取材対象との距離が近すぎる」と指摘し、修正が加えられたが、改善が見られないとし、以後の製作作業はNHKが引き取り、直接進めることになった。
 番組内容の一部が右翼団体などに漏れ、20日過ぎからNHKに放送中止を求める電話・メールが殺到した。街頭宣伝車(街宣車)もNHKに乗り付けた。
 1月26日には、「女性国際戦犯法廷」に批判的な「秦 郁彦(日本大学教授)」にインタビューすることにした。
 編集作業が行われ、NHKの番組制作局教養番組部長からOKが出たのは1月28日の午後11時ころであった。その後、NHKの放送総局長の「松尾 武」および国会担当の「野島 直樹」も加わって、番組の修正を指示した。
 そして、放送当日の1月30日の放送3時間前の午後7時ころから再編集が行われ、 中国人被害者の証言の削除、 東ティモールの慰安所の紹介と元慰安婦の証言の削除、 慰安所や強姦についての元日本兵の加害証言の削除、が行われて、放送された。

 この朝日新聞の取材と「女性国際戦犯法廷」の主催者側との認識にそう大きな差はない。






NHK番組への介入問題の再考

(15)「女性国際戦犯法廷」とNHKの番組編成の経過(7)

 この番組編成を巡って裁判となり、2004年3月24日に東京地方裁判所で判決があった。裁判は、2001年7月の提訴から15回の口頭弁論を経て、2003年12月15日結審し、この日、判決が下された。これについて以下に挙げる。
 NHKが01年1月に放映した「女性国際戦犯法廷」に関する番組で、取材に協力した「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW−NETジャパン、共同代表=西野瑠美子)などが「当初の企画を変え、約束通りの番組を放送する法的義務を怠った」として、NHKと制作会社「ドキュメンタリー・ジャパン」(DJ)など2社を相手取り総額2000万円の賠償を求めた訴訟の判決が3月24日、東京地裁であった。
 小野剛裁判長は「番組内容は事前の説明と異なり、取材される側の信頼を侵害した」と述べ、取材担当の制作会社DJにのみ100万円の支払いを命じた。しかし、NHKについては「説明や取材行為に関与していない。NHKが行った編集は放送事業者に保障された編集の自由の範囲内」と請求を棄却した。
 しかし、この判決には疑問が残る。NHKとしては番組編成を制作会社「ドキュメンタリー・ジャパン」(DJ)およびNHKエンタープライズ21に<丸投げ>していたのではなかったか。そうでないにしてもこの2社に対する指揮・命令権はあったはずだ。監督責任も生じていたと考える他はない。「編集の自由」はあるにせよ。少なくとも最終番組編集責任者として主催者に対する当初の期待とは異なった番組となった「説明義務違反」はあったと解すべきである。






NHK番組への介入問題の再考

(16)「女性国際戦犯法廷」番組と放送規程


 放送法には次の規定がある。

 (国内放送の放送番組の編集等)
第3条の2 放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
 1.公安及び善良な風俗を害しないこと。
 2.政治的に公平であること。
 3.報道は事実をまげないですること。
 4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかに
  すること。

「女性国際戦犯法廷」番組が極めて政治的色合いが強く、内容もわが国も採用する法治国家で行われている裁判制度にも反し認められるものではない。
 明らかに本条2号に該当する他、1号の「善良な風俗」をも害している。つまり、弁護人抜きでの裁判はわが国の習慣にも反しているということである。また、一方的な主張に偏る余り、事実をまげているとも解される。さらには、こういう問題は反対意見も多くみれられることから、多角的な論点を明らかにする必要が求められるが、これに対する配慮も欠けていた。

 したがって、「女性国際戦犯法廷」番組は、放送法第3条の2に違反して、放映すべきではなかったのである。

 さらに、問題は「南国人J」さんが指摘しているとおり<番組を企画した下請け会社の視点が主催団体に近かったため>とあるが、視点が近いどころの話しではない。
 この下請け会社とはNHKエンタープライズ21というNHKの子会社である。
ここのプロデューサー"池田恵理子"氏は NHKの職員であり全くNHKそのものと言って良い。
「池田恵理子」氏、「女性国際戦犯法廷」運営委員の一人で、主催団体である戦争と女性へ の暴力・日本ネットワーク(略称バウネット・ジャパン)の発起人、運営委員に名を連ねている。
 これは、大きな問題だ。かって、朝日新聞が韓国での「(従軍)慰安婦」問題を糾弾したことがあるが、その記事を書いた記者の韓国人の妻がその糾弾団体の役員をしていたことが判明した。こうした<我田引水>のような企画は先の放送法の2号、3号にも抵触する恐れが大きい。





NHK番組への介入問題の再考

(17)「女性国際戦犯法廷」番組の規制と放送規程(1)

 放送法には次の規定がある。

 (放送番組審議機関)
  第3条の4 放送事業者は、放送番組の適正を図るため、放送番組審議機関(以下「審議機関」という。)を置くものとする。
 (放送番組審議機関)
  第3条の4 放送事業者は、放送番組の適正を図るため、放送番組審議機関(以下「審議機関」という。)を置くものとする。
  2 審議機関は、放送事業者の諮問に応じ、放送番組の適正を図るため必要な事項を審議するほか、これに関し、放送事業者に対して意見を述べることができる。
  3 放送事業者は、番組基準及び放送番組の編集に関する基本計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、審議機関に諮問しなければならない。
  4 放送事業者は、審議機関が第2項の規定により諮問に応じて答申し、又は意見を述べた事項があるときは、これを尊重して必要な措置をしなければならない。
  5 放送事業者は、総務省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を審議機関に報告しなければならない。
  1.前項の規定により講じた措置の内容
  2.第4条第1項の規定による訂正又は取消しの放送の実施状況
  3.放送番組に関して申出のあつた苦情その他の意見の概要

第4条 放送事業者が真実でない事項の放送をしたという理由によつて、その放送
     により権利の侵害を受けた本人又はその直接関係人から、放送のあつた日から
     3箇月以内に請求があつたときは、放送事業者は、遅滞なくその放送をした事
     項が真実でないかどうかを調査して、その真実でないことが判明したときは、
     判明した日から2日以内に、その放送をした放送設備と同等の放送投備により、
     相当の方法で、訂正又は取消しの放送をしなければならない

 放送法本件の番組の放送に当って、NHKの「放送番組審議機関」が審議したという情報に接していない。
 おそらく、審議していなかったものと思われる。






NHK番組への介入問題の再考

(18)「女性国際戦犯法廷」番組の規制と放送規程(2)
 放送法には次の規定がある。

(放送番組編成の自由)
  第3条 放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。

 ここにいう「干渉」および「規律」とは何をいうのであろうか。
 干渉とは、相手の意思を強制し、その意思に反しても一定の行為を取らせることをいう。
 規律とは、一定の秩序を強制することをいう。
 こう考えると、いずれも「強制力」の行使が前提になっている。「何人」からもとされているが、一般人が「強制力」を行使して放送番組に「干渉」または「規律」することはまれであろう、しかがって、主として行政機関からの「干渉」および「規律」が対象となっていると考えてよい。憲法第21条2項の「検閲の禁止」と関連して規定されたと解されるからである。
 街頭宣伝車(街宣車)を乗りつける。デモを行う。団体が大量のメール、FAXを送りつける行為。集団で抗議文を手渡すもの。これは行動としては批判もあろうが、ここでいう「干渉」および「規律」には該当しない。つまり「抗議」の範疇に属すると考えられる。「抗議」まで許されないとすれば、国民の「表現の自由」を侵すことにもなる。
 議員、とりわけ国会議員の行動はその影響力は大きいが、「強制力」を伴うものではなく、「干渉」および「規律」には該当しない。
 なお、「検閲の禁止」は憲法第12条の「公共の福祉」でのみ制約されるが、この放送法第3条は、「法律」でも制約しうるので、「検閲の禁止」よりも権利性が弱いと考えられる。






NHK番組への介入問題の再考

(19)「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(1)

 「安部 晋三」氏の言動(1)

 朝日新聞は、彼が放送の前にNHKと面談していたと言っていたようだが、その「発言」内容(放送中止を求められるなどし、政治圧力で番組内容を改変した)を示す記事(HP)は全て削除されている。
  http://www.asahi.com/national/update/0112/006.html (朝日)
  http://www.asahi.com/politics/update/0113/002.html (朝日)
  http://www.asahi.com/national/update/0113/029.html (朝日)

 しかも、朝日新聞は、平成17年1月18日(火)、その朝刊での「NHK番組改変、本社の取材・報道」と題する記事(以下 本件記事という)でも彼が放送の前日の2001年1月29日にNHKと面談していたと言っていたことも含めて、「安部 晋三」氏の言動についての言及が<一切>ない。
 したがって、先の朝日新聞の彼の言動に関する記事は<捏造>であると考えるしかない。

 「安部 晋三」氏の言動については、NHKの記者会見および「安部 晋三」氏の発言で詳説する(NHK番組への介入問題の再考(22)および(26)を参照)。






NHK番組への介入問題の再考

(20)「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(2)

 「中川 昭一」氏の言動(1)

 「中川 昭一」氏は、放送の前日の2001年1月29日にNHKの「松尾 武」放送総局長、「野島 直樹」国会担当局長、など数人と面談し「一方的な報道をするなという内容の話をして、それができないなら中止すべきである」との話をした。(本件記事)

 さらに、今回、問題になってから、中川氏は朝日新聞社の取材に対し、NHK幹部と面談したことを認めた上で「疑似裁判をやるのは勝手だが、それを公共放送がやるのは放送法上公正ではなく、当然のことを言った」と説明。「やめてしまえ」という言葉も「NHK側があれこれ直すと説明し、それでもやるというから『だめだ』と言った。まあそういう(放送中止の)意味だ」と語った。(朝日新聞1月12日報道より引用)

 ・・・中川氏も同日夜、「NHKが説明に来たのは(放送3日後の)2月2日。放送内容の変更や放送中止に関しては一切言っていない」とのコメントを発表した。(同紙1月23日報道より引用)

「NHK側があれこれ直すと説明し、それでもやるというから『だめだ』と言った。まあそういう(放送中止の)意味だ」という発言は、放送後の話し合いについてのものではありえない。





NHK番組への介入問題の再考

(21)「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(3)

 「中川 昭一」氏の言動(2)

 これらのことから、「中川 昭一」氏がNHKと面談していたことは間違いないと思われる。当時の「中川 昭一」氏は、衆議院議員で、慰安婦問題を教科書で扱うことに批判的な「日本の前途と歴史教育を考える若手の会」の代表であったが、政府の役職には就いていなかった。なお、「安部 晋三」も同じく衆議院議員で、「日本の前途と歴史教育を考える若手の会」の元事務局長であった。





NHK番組への介入問題の再考

(22)「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(4)

 NHK側の報道を見てみよう。
 NHKは、平成13年(2001年)1月30日に放送した「ETV2001 戦争をどう裁くか」をめぐり、「政治介入によって番組内容を変えた」と事実を歪曲(わいきょく)して報道され、信用を傷つけられたとして、NHKは平成17年1月14日、問題を最初に報じた朝日新聞の箱島信一社長と吉田慎一編集局長に対し文書で抗議し、謝罪と訂正記事を求めた。
 朝日新聞は平成17年1月12日付朝刊で、番組放送前に当時の松尾武放送総局長(現NHK出版社長)らNHK幹部が、中川昭一衆院議員と安倍晋三官房副長官に呼ばれて放送中止を求められるなどし、政治圧力で番組内容を改変した、と報じた。
 抗議文は「NHK側が二人に呼びつけられた事実はなく、安倍氏には放送の前日ごろ、事業計画の説明で出向いた。中川氏と幹部が面会したのは放送の3日後だった」と事実誤認を指摘した。
 さらに、記事には「政治圧力を受けて幹部による『異例の試写』が行われ、このあと番組の短縮が指示された」とあるが、試写は異例ではないなどとしている。
 朝日新聞社広報部のコメント 「報道にあたっては両議員、NHK幹部を含む関係者への取材を重ねてきた。記事には、指摘のような事実の歪曲はないと考えている」






NHK番組への介入問題の再考

(23)「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(5)

 NHKの「長井 暁」(番組制作局教育番組センターのチーフ・プロデューサーNHKの同番組の担当デスク)が平成17年(2005年)1月13日に記者会見を開いた。
 彼の発言から、これを見てみる。
 NHK番組の放送前に、自民党の有力政治家がNHK幹部と面談し、番組内容がその後、大幅に改変された問題で、内部告発をしていたNHKの幹部職員が13日午前、東京都内のホテルで記者会見した。内部告発者が実名を明かして会見するのはきわめて異例。この幹部は「放送現場への政治介入を許した海老沢勝二会長らの責任は重大。退陣すべきだ」と訴えた。

 番組を企画した下請け会社の視点が主催団体に近かったため、「戦争を裁くことの難しさ」や歴史的な位置づけ、客観性を強調して現場を取りまとめてきたという。事前に右翼団体などから「放送中止」の要請はあったが、放送2日前の夜には通常の編集作業を終え、番組はほぼ完成していた。
 2001年1月下旬、中川昭一・現経産相らが当時のNHKの国会担当の担当局長らを呼び、番組の放送中止を求めた。NHKの予算審議前だったこともあり、担当局長は放送前日の午後、NHK放送総局長を伴って再度、中川氏や安倍晋三・現自民党幹事長代理を訪ね、番組について説明。放送総局長は「番組内容を変更するので、放送させてほしい」と述べた。
 同日夜、ほぼ完成した番組をNHK局内で局長らが試写。その後、長井さんらに対し、番組内容の変更が指示された。
 さらに翌日には、元慰安婦の証言部分など3分間のカットが指示され、通常44分の番組は40分という異例の形で放送された。
 番組改変の指示について、「これまでの現場の議論とはまったく違う内容。現場の意向を無視していた。政治家の圧力を背景にしたものだったことは間違いない」と述べた。






NHK番組への介入問題の再考

(24)「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(6)

 また、「海老沢会長はすべて了承していた。信頼すべき上司によると、担当局長が逐一、海老沢会長に報告していた。会長あてに作成された報告書も存在している」と説明した。その上で、「制作現場への政治介入を許した海老沢会長や役員、幹部の責任は重大です」と訴えた。
 NHKの「コンプライアンス(法令順守)通報制度」に基づき、昨年12月9日に内部告発した。だが「通報から1カ月以上たった今日にいたっても、聞き取り調査さえなされていない」と話した。
 「私もサラリーマン。家族を路頭に迷わすわけにはいかない。告発するかどうか、この4年間悩んできた。しかし、やはり真実を述べる義務があると決断するに至りました」。(そう言って長井さんは涙声になり、言葉を詰まらせ、ハンカチで目をぬぐった。)
 「告発による不利益はないか」と尋ねられ、「不利益はあるでしょう」と答えてからだった。
 現場のスタッフ全員が反対した。放送直前の3分間の番組カット。その中には中国人元慰安婦の証言も含まれていた。「被害者の声だけは何とか守りたかった。最後まで闘えなかったことを反省している」。(そう言って長井さんは、再び目を赤くし、唇をかんだ。)






NHK番組への介入問題の再考

(25)「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(7)

 ここからは、「長井 暁」に対するコメントなどを挙げる。
 中川経産相と安倍幹事長代理は「偏った内容だ。公正な番組にするように」などと指摘したことは認めているが、安倍氏は「NHK側を呼びつけた事実はない。番組の中止などは求めていない」としている。
 また、NHK広報局は海老沢会長が了承していたとの指摘について「そうした事実はない」とコメントした。
 〈NHK広報局の話〉 当時の担当者が様々な国会議員に対して、事業内容などを説明した際に、この番組について話題になったことは事実。しかし、これによって、番組の公正さ・公平さが損なわれたということはない。編集責任者が自主的な判断に基づいて編集して放送した。コンプライアンス推進室は通常の手続きに従って調査をしている。調査の途中経過については通報者に知らせている。
 〈NHKのコンプライアンス(法令順守)通報制度〉 放送法などの法令やNHK倫理・行動憲章などの内部規範に違反または違反しそうな事実があるとき、職員らが通報できるようNHKが04年9月から整備した内部告発制度。一連の不祥事を受けて整備された。通報窓口は外部の法律事務所に置かれている。通報があるとNHKの専門部署がその内容を調査し、必要な場合には不正行為の停止を命じることができる。職員は調査に協力する義務を負い、通報者に不利益な取り扱いは行わないとの規定がある。
http://www.asahi.com/national/update/0113/014.html





NHK番組への介入問題の再考

(26)「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(8)

 「安部 晋三」氏の言動の内容が果たして朝日新聞の報道のように、「一方的な報道をするなという内容の話をして、それができないなら中止すべきである」だったかどうか、はっきりしない。このことは、「中川 昭一」氏についても同じである。
 まず、「長井 暁」(番組制作局教育番組センターのチーフ・プロデューサー)
NHKの同番組の担当デスク)の発言は「伝聞」であり、発言者が誰かも明らかでなく、発言者そのものが現れていないので<信用性>に欠ける。「問題外」だと言って良い。
 NHKの「松尾 武」放送総局長の平成17年1月19日(木)の記者会見で、彼は放送の平成13年(2001年)1月30日の前日の29日ころ、「安部 晋三」氏と面談した。目的はNHKの予算事業の説明であった。その席で、本番組が話題となり、番組の概略を説明し、「安部 晋三」氏から「番組の表現は公平・中立であるべき」との発言がなされた。「野島 直樹」国会担当局長が同席した。
 「安部 晋三」氏もこれに沿う発言をしている。
 「松尾 武」放送総局長はこの面談で「政治的圧力を感じていなかった」と言い、平成17年1月9日に朝日新聞の記者に取材を受け、その際に「政治的圧力を感じたでしょう」としつこく聞かれた。それに関しては、「政治的圧力を感じていなかった」と繰り返し答えたが、記事は「政治的圧力を感じていた」とされた。

 「松尾 武」放送総局長は「中川 昭一」氏には面談していないと発言している。

 「松尾 武」放送総局長の発言は信用できると考えられる。
 理由は、1、おそらく、彼と面談した朝日新聞記者は会話を録音テープで密かに? 取っていたと考えられる。こういう話は必ず後で言った、言わないという争いになる。新聞記者ならこれを避けるために会話を録音テープで取っていなければならない。そうでないならば、新聞記者失格である。これが出て来ない。2、朝日新聞の記事では1月29日「松尾 武」放送総局長が「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏と議員会館で会ったことになっているが、議員会館では面接者の記録が残されている。朝日新聞からはこれが発表されていない。この点に関しては「松尾 武」放送総局長が記憶にないことを言うはずがない。
 さらに、「政治的圧力」の話にしても、朝日新聞社は「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏に敵対心を持っていたことはこれまでの彼らが所属する自由民主党への態度から容易に推測される。発言を<捏造>した可能性は極めて高いと思われる。





NHK番組への介入問題の再考

(27)「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(9)

 NHKが「中川 昭一」氏に面談したのは、放送後の平成13年(2001年)2月2日であろう。NHKの平成17年1月19日(木)の夜7時のニュースでも報じられたように、NHKの伊東製作番組局長と「野島直樹」国会担当局長が面談しているようである。
ここでも朝日新聞の記事の「中川 昭一」氏の発言「注意しろ、見ているぞ」というものはなく、(番組改変の)示唆を与えられたと幹部は受け止めたということも否定された。
 「中川 昭一」氏もこれに沿う発言をしている。

 先のとおり、「中川 昭一」氏との面談が行われたのは、放送後の平成13年(2001年)2月2日であることはほぼ間違いない。
 その発言内容は確認しようがないが、NHKと「中川 昭一」氏が一致しているので、朝日新聞の反証が求められる。






NHK番組への介入問題の再考

(28)「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(10)

 「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の発言をどう評価すべきであろうか。

 まず、「安部 晋三」氏について論じる。

 「安部 晋三」氏、当時は単なる「衆議院議員」である。
1、 行政機関の一員でないから、憲法で禁止する「検閲」には該当しないことは明白であ る。
2、(放送番組編成の自由) 第3条 放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。に反するかであるが、その発言内容も「番組の表現は公平・中立であるべき」に止まっており、これは単なる「批判」で「干渉」、「規律」には該当しない。





NHK番組への介入問題の再考

(29)「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動(11)

 次に、「中川 昭一」氏について論じる。

 「中川 昭一」氏も当時は単なる「衆議院議員」である。慰安婦問題を教科書で扱うことに批判的な「日本の前途と歴史教育を考える若手の会」の代表であったかどうかは、公職でないので問題とならない。
1、行政機関の一員でないから、憲法で禁止する「検閲」には該当しないことは明白であ る。番組放送後であるから、なお「検閲」には該当しない。「再放送」は考慮する必要は ない。これを問題にすると「検閲」は永遠に問題となるからである。
2、 彼の発言内容は明確ではないが、「安部 晋三」氏と同じく「放送法第3条」に違反し ない。
 なお、「中川 昭一」氏の面談は番組放送後であるが、それが前であっても何ら問題にはならない。

 したがって、両氏の言動は<法的>には全く問題にはならない。





NHK番組への介入問題の再考

(30)NHK番組の制作者の責任

 こういう放送法第3条の2に違反する「女性国際戦犯法廷」番組を制作したNHKはもちろん(会長の免職処分)、製作担当責任者である「松尾 武」放送総局長(現NHK出版社長)、番組制作局教養番組部長、「長井 暁」(番組制作局教育番組センターのチーフ・プロデューサー)は<懲戒免職処分>が妥当だろう。なお、「企画書」を作成した「坂上 香」は既に退社しているようである。

 番組制作の下請会社「NHKエンタープライズ21」(NHKの子会社)および孫請け会社のドキュメンタリー・ジャパン」も責任を免れない。社長が責任を負う(取締役解任)。
 もちろん、両者の製作担当者も同じで<懲戒免職処分>が妥当だろう。
 とりわけ、番組制作の下請け会社「NHKエンタープライズ21」(NHKの子会社)のプロデューサー「池田恵理子」は、NHKの職員でありながら、「女性国際戦犯法廷」運営委員の一人で、主催団体である戦争と女性へ の暴力・日本ネットワーク(略称バウネット・ジャパン)の発起人、運営委員に名を連ねている。公私混同して<放送法違反>の番組を作成し、混乱を招いた。これも<懲戒免職処分>が妥当である。

 彼らの責任をウヤムヤにしてはならない。直接の当事者である。
 「長井 暁」(番組制作局教育番組センターのチーフ・プロデューサー)、内部告発したからといって、<免責>されるものではない。





NHK番組への介入問題の再考

(31)NHK番組への介入問題の報道のあり方

 平成17年1月18日(火)、朝日新聞の朝刊の「NHK番組改変、本社の取材・報道」と題する記事を見ても、専ら、「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動は「放送法」に触れるか、「言論の自由」を侵害したかに向けられ、「女性国際戦犯法廷」が近代法の理論に合致するか、「放送法」に触れるか、については全く触れられていない。
 本問題は、「女性国際戦犯法廷」が近代法の理論に合致せず、「放送法」に触れたと考えられたゆえに問題となったのである。
 したがって、これを避けて、「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動のみを問題にするのは<片手落ち>である。
 双方とも<検証>されなければならない。
 朝日新聞および左翼と呼ばれる人たちが、「安部 晋三」および「中川 昭一」両氏の言動のみを問題にしているのは、彼らを排除しようとする<政治的意図>を感じ、とうてい賛成できない。面会した人は両氏だけではないのである。
 彼らは、これを<政治的スローガン>を叫ぶ場として利用しているに過ぎない。問題のスリカエだろう。
 こういう放送番組の改変および抗議は左翼の<独壇場>ではなかったか? 彼らにも同じ問題が生じる恐れは十二分にある。
 こうしたことが行われた場合に、これを<批判>できるだろうか。真価が問われる。


NHK番組への介入問題の再考(32)

(32)NHK番組への介入問題の報道のあり方(2)

 NHK番組へのアンケート

NHK番組内容への政治的圧力についてどう思う?

http://news.fs.biglobe.ne.jp/politics/

●現在の集計結果です(有効票数:2455票)。

誤報だったと思う  92.0%(2259票) 
本当だったと思う  6.8%(167票) 
わからない  1.2%(29票) 
http://www31.ocn.ne.jp/~matsuo2000/newpage2.htm

質問 4年前にNHKで放送された戦争特集番組が政治的圧力により一部改変させられたのではないかとの疑惑について、事態がややこしくなってきています。あなたは誰が悪いと思いますか。(こんかいのごたごたについてです)

http://enquete.nechira.com/?mode=vote&vno=c9bdc2ea1106114993

安倍・中川両氏 0.8%(47) 
NHK 0.8%(47) 
朝日新聞 86.3%(5232) 
安倍・中川両氏とNHK 1.5%(90) 
安倍・中川氏と朝日新聞 0.2%(11) 
朝日新聞とNHK 9.3%(563) 
三者とも悪い 0.9%(52) 
誰も悪くない 0.3%(21) 
http://www31.ocn.ne.jp/~matsuo2000/newpage2.htm

 以上は「K▲B▼導師」さんからの提供です。




NHK番組への介入問題の再考(33)

(33)NHK番組への介入問題の報道のあり方(3)

 平成17年1月21日(土)、NHKが朝日新聞に公開質問状を提出した。

 公開質問状は、NHKの関根昭義放送総局長名で、朝日新聞の箱島信一社長と吉田慎一編集局長あてに出したもので、18項目からなります。今回の問題では、自民党の中川昭一氏とNHKが番組の放送前に面会したことはなく、中川氏は圧力をかけたことはないと述べています。また、安倍晋三氏はNHK幹部を呼び出したことはなく、番組改変の指摘はしていないと述べ、いずれも記事の内容を否定しています。これを受けて公開質問状では、まず、▽朝日新聞の記事の真偽について、▽どういう裏付けや根拠となる事実確認をしたのかと質しています。そのうえで、▽朝日新聞が、政治的な圧力を受けてNHKの番組が改変されたと報道している具体的な根拠を尋ねています。次に、公開質問状では、▽朝日新聞の記者の取材について質しています。この中では、▽取材を受けた松尾元放送総局長は、「中川・安倍両氏からも既に取材している」とか、「政治的な圧力を感じたでしょう」と執ように問いただされたと話しているが、朝日新聞の記事によると、中川・安倍両氏への取材は松尾氏への取材の翌日であり、うそをついて取材したとすれば、取材倫理上、極めて重大な問題だと指摘しています。そのうえで、▽取材を受けて20分ほど経過した以降、記者はメモをとっておらず、2時間に及んだ取材内容をどういう方法で正確に記録できたのかと質しています。▽さらに松尾氏が、3日前に、朝日新聞の記者に電話し、「取材に答えた内容と記事の内容が違うので、もし録音テープがあれば、聞かせてほしい」と要求したのに対し、記者は録音テープがあるかどうか明言しなかったと指摘しました。そのうえで、▽録音テープがあるかどうか、▽仮に存在するのであれば、録音の了解を得ておらず、取材倫理に反するのではないかと質しています。そして、▽松尾氏が3日前に朝日新聞の記者と電話で話をした際、この記者は、「証言の内容について腹を割って調整をしませんか」「すりあわせができるでしょうから」などと繰り返したことを指摘し、記事を掲載した後になって証言内容を調整したりすりあわせたりする必要があったのかと質しています。公開質問状では、朝日新聞が言い訳や論点のすり替えをせず、きちんとした内部調査をし、その結果を記者会見で公表し、説明責任を果たすとともに、記事を訂正し、NHKなど関係者に謝罪するよう改めて求めています。
 http://www3.nhk.or.jp/news/2005/01/21/d20050121000141.html

 今夜、9時過ぎに、朝日新聞が、NHKの公開質問状に対する反論、記者会見を開いた。

 出席した各社報道記者からの質問に対しては、すべて「今後、訴訟を起す予定があるため、詳細については、お答えできません」と回答していたが、これでは、記者会見を開いた意味がない。

 朝日新聞は、何の為に記者会見を開いたのか。こんな状態では、益々深みに嵌まるだけですね。

 NHK問題、サヨクどもや「言論テロリスト」が<騒いで>いたが、決着はつきましたね。
朝日新聞も<轟沈>だし、提灯持ちのテレビ朝日の古館も<破綻>したね。
 時代も大きく変わった。いくらサヨクどもが騒いでも国民は付いては来ない。
 先に示した「世論調査」がそれを物語っている。
 わかってないですね。日本共産党、社民党が<惨敗>したことをね。
 NHK問題、民主党もあまり騒いでいないように感じますが。
 どうなんでしょうね?

それにしても、テレビ朝日の古館は、バカ丸出しですね。 その内、打ち切りでしょう。




NHK番組への介入問題の再考(34)

(34)NHK番組への介入問題の見識者の見解(1)

 「まこと」さんの見解(1)

 「まこと」さんが、下記の掲示板に次のような見解を述べられている

  http://6547.teacup.com/sinken/bbs

「民衆法廷」について少し、「政治的公平」について少し(1) 投稿者:まこと  投稿日: 1月22日(土)10時04分24秒

(1)「民衆法廷」を公設の国際法廷と比較して、「合法性」を云々するのは見当違い

 そもそも、この種の「民衆法廷」は、ベトナム戦争におけるラッセル・サルトル法廷をはじめ、「模擬法廷」という形態を取りながら戦争や人権蹂躙の事実関係や「犯罪性」を民衆の立場から捉え直そうという社会運動の試みの一つなのであって、国際法・国内法上何ら実効性を持たないことは「模擬法廷」を開催している当事者らも十分承知の上なんですね。当然「判決」と称するものは、何らの法的拘束力を持ちません。

 で、この裁判が何らの法的拘束力を持たない民間団体主催の「模擬法廷」である以上、「人民裁判」云々の批判は的を射ていないと思います。当然、国内法廷であれ国際法廷であれ、判決に効力を持つ公設の法廷であるならば被告人に弁護人を付けねばならないことは当然の法理だと思いますし、被告人抜き・弁護人無しの法廷は「人民裁判」「魔女狩り」との非難は免れないでしょうが、件の「模擬法廷」がその種の法廷と本質的に性格を異にしている以上、公設の法廷と比較して判決の法的効力および法廷の合法性云々を論じることもまた、的外れでしょうね。



NHK番組への介入問題の再考(35)

(35)NHK番組への介入問題の見識者の見解(2)

 もっとも、私はこの「女性国際戦犯法廷」を全面的に支持するものではありませんけどね。例えば事実関係をより精緻に精査するために弁護人役を設けた方がいいのではないか?「慰安婦」問題で昭和天皇を被告人にする蓋然性があるのか?など、件の「法廷」の手法には疑問を抱く点も幾つかあるのですが、解法者のような立場性からの批判は支持しませんね。

 ちなみに、これは余談ですが、解法者さんが「とても尊敬している」と言っている加藤博・北朝鮮難民救援基金事務局長は以前、「北朝鮮からの脱出者に対する人権侵害を裁く『国際法廷』を都内で」開催したいという意向を記者会見で表明されましたね。

http://hackjaponaise.cosm.co.jp/NorthKorea/bbslogs/nkoreabbs1837.html

 この構想のその後の進展は不明ですが、仮に「法廷」を開くなら、この裁判も「模擬法廷」の形態を取るのでしょうし、「北朝鮮からの脱出者に対する人権侵害を裁く」とすれば金正日、江沢民、故錦濤辺りも被告人にされるのでしょうが、本人らが出廷したり代理人を立てるとは思えないので、おそらくは「欠席裁判」になるでしょうね。しかし、私は仮にこの「法廷」が開催されても、「判決」は法的に無効だの、「欠席裁判」は魔女狩りだとか難癖を付けるつもりはありませんけどね。飽くまでこの「法廷」の狙いは「模擬裁判」を通して北朝鮮脱出者への人権侵害の実態を検証してみようというものでしょうから。




NHK番組への介入問題の再考(36)

(36)NHK番組への介入問題の見識者の見解(3)

「民衆法廷」について少し、「政治的公平」について少し(2) 投稿者:まこと  投稿日: 1月22日(土)10時01分8秒

(2)放送法3条の2の2号における「政治的公平」

解法者さんの意見の全文は↓を参照して頂きたいのですが

http://8718.teacup.com/sinken2004/bbs

まあ、簡単に書いてしまうと解法者はこの模擬裁判を扱った「番組」は「偏って」いるから放送法第3条の2第2号に抵触すると言いたいようですね。

ここで、まず同条項を確認しておきましょう。

(国内放送の放送番組の編集等)
第3条の2 放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
 1.公安及び善良な風俗を害しないこと。
 2.政治的に公平であること。
 3.報道は事実をまげないですること。
 4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

http://www.houko.com/00/01/S25/132.HTM




NHK番組への介入問題の再考(37)

(37)NHK番組への介入問題の見識者の見解(4)

 では、「政府べったり」を自称されている解法者さんのお好きな「政府」は、この法文をどう解釈しているのかを確認しておきましょう。

 この放送法第3条の2号に関しては、国会でもしばしば議論の種になっていまして、昨年6月3日の衆議院逓信委員会で自民党山形県連が製作し、山形テレビで放送された自民党PR番組について民主党議員が同条の解釈問題を国会で取り上げた時、放送行政を担当する総務省の大臣たる麻生総務大臣は以下のように答弁しています。

○麻生国務大臣 「これは三条の二の第一項第二号の政治的に公平であることということで、基本的には、不偏不党の立場から、政治的に考えても偏ることなく、放送番組全体としてのバランスがとれたものであるようにしておかないかぬということだと思っておりますので、政治的に公平であるとの判断は、一つの番組ではなくて、その当該放送事業者の番組全体を見て判断をする必要があるというぐあいに考えております。」

 要するに、総務省は放送法3条の2の「放送番組の編集」とは一つの番組の編集方針を指すのではなく、当該「放送事業者の番組全体」の「編集」方針−すなわち3条の2の2号の「政治的公正」は編成全体をみて判断されるべきあり、一つの番組を以って云々されるものではない−との解釈を提示しているんですね。



NHK番組への介入問題の再考(38)

(38)NHK番組への介入問題の見識者の見解(5)

「民衆法廷」について少し、「政治的公平」について少し(3) 投稿者:まこと  投稿日: 1月22日(土)10時00分18秒

 また、昭和40年3月11日の衆議院逓信委員会で「大蔵大臣アワー」という政策PR番組が議論になった際にも、郵政省(現・総務省)側は次のように答えています。

○宮川政府委員(郵政省電波監理局長・当時) 「放送法四十四条におきまして「協会は、」ということがございますが、これはもちろん一般放送事業者にも該当することになるわけでありますが、編集にあたっては、その定めるところによらなければならないというふうになっておりまして、「政治的に公平であること。」というのが第三項にあるわけでございます。法律的な解釈といたしましては、これは協会、一般放送事業者の準拠すべき心がまえといたしまして、編集にあたってということでございますので、全体の番組を貫きまして、その編集計画の中身におきまして、政治的に公平が保たれればそれが法律に該当する、こういうふうに解釈いたしております。」

○宮川政府委員 「(略)先ほども申しましたように、放送法四十四条におきましては、「放送番組の編集に当っては」ということばがはっきりと出ておりまして、その意味におきまして、また、この前も御答弁申し上げましたように、全体の放送番組の編集計画の中におきまして、あらゆる政治的な見解が述べられるという意図をもって編集が考えられておるならば、これまた四十四条第三項第二号には当然該当する政治的に公平であるというふうに解釈いたしているわけであります。」




NHK番組への介入問題の再考(39)

(39)NHK番組への介入問題の見識者の見解(6)

(*注)なお、ここで審議されたのは放送法3条の2の2号そのものではなく、放送法の旧44条3項2号、現在の放送法44条3項「第3条の2第2項の規定は、協会の中波放送及び超短波放送の放送番組の編集について準用する。」に当たる条文に関して。

 この国会審議の議事録を詳細に引用すると長文になりますので、↓に一部抜粋しています。なお、「まこと君の引用する議事録など信用ならん」ということならば、議事録のデータベースにでも当たってください。

http://blog.livedoor.jp/zatsu_blog/archives/12483779.html

 要するに、そもそも政府側も一部の番組が「偏って」いたからと言って、それが即放送法に違反するなどとは解釈していないということであり、またこの解釈には少なくとも昭和40年以降は変更は無く、「政府べったり」の解法者さん流の解釈は、その「政府」見解からすらも乖離していると言えるでしょうね。

 私もこの規定は、放送事業者の編成計画全体を捉えて「政治的公平」を忖度すべきものと解釈するのが相当であると考えています。じゃ無いと、ラジオ日本辺りでミッキー安川というオジさんが金曜日に「大東亜戦争」が云々と語っている番組も、そして政府広報すらも、政治的に「偏向」した「番組」であり放送法に違反しているから即刻やめろ−という話になりますしね(笑)。

 以上の観点から、NHKの編成全体が「偏向」しているといった類の議論ならあり得るのかもしれませんが、放送法の同規定を引き合いに出して「慰安婦問題模擬裁判」のドキュメンタリー自体を放送すべきでは無いとか、一つの番組に様々な立場性の意見を押し込めないと即放送法に抵触するといった類の議論は適切では無いと考えます。

 仮に「慰安婦」の非人道性を否定する立場の方々が放送法に基づいてNHKに要求するとしたら、せいぜい「模擬裁判」主催団体とは異なる(反対の?)視点から「慰安婦」問題を検証する番組の放送要求くらいではないかな、とも思うのですが。




NHK番組への介入問題の再考(40)

(40)NHK番組への介入問題の見識者の見解(7)

 今度は、「KABU」さんの見解を見てみたい。

  http://8103.teacup.com/matsuo2000/bbs

◆問題の所在

私的(Watashi-teki)には、元NHK放送総局長・松尾武さんの19日の会見で、戦争特集番組の改変を巡るNHKと朝日の争いは「勝負あった」(もちろん、朝日新聞側の完封負け、)と思っている。しかし、「勝負あった」この機会をとらえて今回の誤報事件を整理して置きたい。紛争自体は「勝負あった」にせよ、この事件は戦後民主主義を信奉する輩の2005年初頭におけるメンタリティーや思考様式を考える上で参考になると思うからである。

「整理して置きたい」とは書いたもののこの問題の構図はシンプルである。即ち、平成13年(2001年)1月30日に放送された「ETV2001」シリーズ「戦争をどう裁くか」第2回「問われる戦時性暴力」の番組改変につき、(甲)NHKに対して政治家からの圧力があったか否か? (乙1)もし、政治家からの圧力があったとして、そのような圧力は法的=政治的に許されないことか否か? 次に、(乙2)もし、番組改変が政治家からの影響とは無関係に行われたとするならば、そのような制作現場の意向を翻すような上司の命令は法的=道義的に妥当なものか? 最後に、

(丙)国際法や訴訟法の常識とはかけ離れた「女性国際戦犯法廷」をその主催団体である「戦争と女性への暴力・日本ネットワーク(略称バウネット・ジャパン)」の意向に沿って公共放送で放送するということが法的=政治的に許されるかどうか。実際、「女性国際戦犯法廷」においては、被告人側の弁護活動はほとんど行われず、また、日本国自体や既に亡くなられておられた昭和天皇を刑事法のカテゴリーで裁くという、あるいは、大東亜戦争当時成立していなかった法や法思想によって事後法的に被告人を裁くという法的思考からは正に噴飯ものの「法廷」だったのだから。蓋し、これら(甲)〜(丙)の4点が、NHK番組改変を巡る朝日新聞の誤報問題を考える上での主要な論点の総てであると私は考える。




NHK番組への介入問題の再考(41)

(41)NHK番組への介入問題の見識者の見解(8)

◆論点1

(甲)戦争特集番組を巡る改変に際して政治家からの圧力がNHKに対してあったか否か? これを巡る<当事者>の主張は以下の通り、

(1)今年、平成17年1月12日、当該「番組制作にあたったNHKの現場責任
  者(翌日1月13日にこの責任者、長井暁さん自身が記者会見して人物が特
  定される。)が、昨年末(平成16年12月)、NHKの内部告発窓口であるコン
  プライアンス(法令順守)推進委員会に「政治介入を許した」と訴え、調
  査を求めている」と朝日新聞や毎日新聞が報道。
(2)1月13日、朝日新聞が社説で報道。
(3)午前、NHKの番組制作局教育番組センターのチーフ・プロデューサー長井
  暁さんが東京都内のホテルで記者会見。「当該番組の放送前に、安倍晋三・
  中川昭一という自民党の有力政治家がNHK幹部と面談し、番組内容がその
  後、大幅に改変された」と主張。
(4)1月13日夜、テレビ朝日報道ステーションに安倍晋三自民党幹事長代理
  自身が出演し、「NHK幹部を自分から呼びつけたことはない。NHK幹部と会
  ったのは「予算について説明したい」とNHK側がアポイントを取ってきた
  ことによるものだ。NHKの幹部に対して「公平公正な報道をお願いしたい」
  という一般論は述べたが、圧力を掛けたことなどない」と主張。
(5)1月18日、朝日新聞は同日付の朝刊でほとんど全1面を使い、安倍・中
  川両氏がNHKに政治的な圧力を掛けたため「ETV2001」シリーズ「戦争をど
  う裁くか」は改変されたとの報道の取材過程を説明。




NHK番組への介入問題の再考(42)

(42)NHK番組への介入問題の見識者の見解(9)

(6)1月19日、当時NHKの放送総局長だった松尾武NHK出版社長が会見し、
  「(番組編集に)政治的圧力を感じたことはなく、政治介入があったとは全
  く思っていない」と語り、政治介入によって改変されたと指摘した朝日新  
  聞の報道を否定。
(7)1月19日、NHKはコンプライアンス(法令順守)推進室の調査結果報告
  書を公表。政治介入で番組が改変されたと朝日新聞が報じたことを全面的
  に否定、「(何人からも干渉されないなどと定めた)放送法第3条およびNHK
  倫理・行動憲章に違反する不法行為は認められない」と発表した。
(8)1月19日、先に告発会見したNHKの長井暁さんが再び会見。「政治権力と
  癒着した現在のNHK体制下の調査では真相究明は無理。公平な第三者によ
  る再調査を望む」、と。
(9)1月20日、前日の松尾武NHK出版社長の主張を朝日新聞が否定。
(10)1月21日、NHKが朝日新聞に対して18項目の公開質問状を提出・・・。

 以上、NHKと朝日新聞の間でこの<誤報問題>は、泥仕合=水掛け論の様相を呈して現在に至っている。

 泥仕合だ。水掛け論だ。しかし、見掛けは互いに決め手を欠いたくんずほぐれつのクリンチ合戦に見えるということ自体、論理的には朝日新聞の完敗である。簡単な話だ。政治的な圧力があったかなかったか。この点に関して朝日新聞側もNHK側もどちらも決定打となる証拠を提出していない。公平に言えば現状はそういう所だろう。




NHK番組への介入問題の再考(43)

(43)NHK番組への介入問題の見識者の見解(10)

 でもね。朝日新聞は1月12日以来、記事・社説を動員して、NHKの独立性と独自性の危うい現状を批判しつつ、安倍さん中川さんという有為の政治家の政治生命にダメージを与えたのである。ならば、他者を攻撃した朝日新聞側にはそれを否定するNHKや安倍・中川さん側よりもより大きな挙証責任が課されるのは当然である。しかるに、朝日新聞の記事は(朝日新聞の言い分が大枠においては正しいとしても)、例えば、松尾武元NHK放送総局長や中川さんへの取材のように、後日、被取材者が証言を否定すれば崩壊してしまう程度の不確かな証拠や証言に基づいて書かれたものに過ぎない。

 まして、1月18日の取材過程を説明した上記(5)の詳細な記事のよっても、政治家からの圧力が日常的にNHKに加えられているという一般論は証明(?)できるかもしれないが、平成13年1月29日に「ETV2001」シリーズ「戦争をどう裁くか」第2回「問われる戦時性暴力」の番組改変につき、中川さんや安倍さんからNHK側に圧力が掛けられたという事実については何の証明もなされてはいない。而して、「戦争特集番組を巡る改変に際して政治家からの圧力がNHKに対してあったか否か」に関しては現在の所、朝日新聞の完敗であると言わざるをえない。




NHK番組への介入問題の再考(44)

(44)NHK番組への介入問題の見識者の見解(11)

◆論点2

 さて、(乙1)もし、政治家からの圧力があったとして、そのような圧力は法的=政治的に許されないことか否か? 朝日新聞は本件の問題が、平成13年1月30日の放映以前に安倍・中川両氏からの政治的圧力の有無適否に限定されるのではなく、あくまでも、一般論として公共放送たるNHKがどんな意味でも政治家の影響を受けることは問題であるというポイントを論点にしようとしているようである。私にはそう思われる。これに関しては、私のメルマガから自家原稿を転載しよう。以下、『社会批判通信 by 海馬之玄関』(150号)より引用。http://www.mag2.com/m/0000109683.htm

(上記(5)の記事で)横井正彦・東京本社社会部長曰く、中川さんや安倍さんが女性国際戦犯法廷を取り上げた番組に政治的な圧力をかけて改変に至らしめたたという朝日新聞の一連の記事の「焦点はNHKと政治との距離」を問うことにある、と。ふん、そりゃ高尚な目的でんな。でもね、朝日新聞さん。目的が民主主義の維持発展に寄与するものなら嘘をついてもいいんかい。目的さえ貴ければ、政治家の政治生命にダメージを与えかねない誤報を憶測と伝聞だけで書いても許されるんかい! あん! (以上、引用終了)

 即ち、(乙1)の論点。即ち、「もし、政治家からの圧力があったとして、そのような圧力は法的=政治的に許されないことか」、「政治家からの圧力は現行憲法が禁ずる検閲にあたるか」は、これこそ大東亜戦争後の日本社会で跳梁跋扈し不誠実と愚劣の限りを尽くした戦後民主主義の思想的な特徴をクリアカットに描き出す論点である。




NHK番組への介入問題の再考(45)

(45)NHK番組への介入問題の見識者の見解(12)

 蓋し、この問いの正解究明作業は「圧力とは何か」という語の定義の問題に収束すると私は考える。これまた結論は簡単である。もし、NHK側に放映内容の最終的な決定権があるのなら、政治家の圧力なるものは政治的にはともかく法的に問題にされる筋合いはない、と。畢竟、NHKの報道の自由とはNHKの制作現場の自由でもなく、誰からも批判を受けない自由でもない。否! 報道や放送への批判は国民の権利であり、表現の自由と政治活動の自由から端的に演繹される重要な権利であろう。

 ならば、選良たる政治家には国民を代表してより激しくより本質的な批判を放送機関に対して行う責務があるとさえ言えるであろう。即ち、下記(丙)の経緯も鑑みるならば、中川さんや安倍さんが女性国際戦犯法廷を取り上げた番組に政治的な圧力をかけたとしても(あくまでもNHKに放映番組に関して最終的な決定権がある限りではあるが、)豪も、問題ではない。否、中川さんや安倍さんには女性国際戦犯法廷を取り上げた番組に政治的な圧力を激しくかけ、NHKをして放映中止を決断せしめる活動が望まれたと言うべきであろう。



NHK番組への介入問題の再考(46)

(46)NHK番組への介入問題の見識者の見解(13)

◆論点3

(乙2)は問題外の外の事項である。制作現場の意向を翻す番組改変の命令は法的にも道義的にも正当である。蓋し、NHKと言えども会社組織であり、その命令や指揮が法律もしくは実定道徳に反しない限り、部下は上司の個々人は組織の指揮と命令に従わなければならないことは当然だろうから。畢竟、これは包括的役務提供契約たる雇用契約を個人が会社と結ぶということの直截の帰結であり、これは総ての組織人に妥当する職業倫理であり職業道徳であろう。よって、そのような指揮命令に従えないという個人は組織を潔く離れるべきであり、そのような部下は組織を告発する会見で涙を流す暇があるのなら家族のために次の就職先を探し始めるべきなのだ。もちろん、理不尽と思える命令や説明不十分な指揮は、職場のモラルを下げひいてはNHKのパフォーマンスをも低下させるかもしれない。そのような事態はNHKの経営陣だけでなく受信料を負担している日本国民や日本市民にとっても愉快な話ではない。けれども、モラルやパフォーマンスの低下はマネージメントの拙劣さの問題に過ぎず、番組の内容改変が許されるか否かという本稿の論点とは何の関係もない事柄である。




NHK番組への介入問題の再考(47)

(47)NHK番組への介入問題の見識者の見解(14)

◆論点4

(丙)は更に自明である。特殊なイデオロギーにまみれた「女性国際戦犯法廷」なるものをその主催団体の意向に沿って放送するということは法的にも政治的にも許されることではなかろう。放送法にはこう書いてある。即ち、

第1条 この法律は、左に掲げる原則に従つて、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。
1.放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。
2.放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
3.放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。

第3条 放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。

第3条の2 放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
1.公安及び善良な風俗を害しないこと。
2.政治的に公平であること。
3.報道は事実をまげないですること。
4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

 
要は、NHK等の放送事業者は番組を編集するに当たっては、「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」(第3条の2)を遵守しなければならないのであり、イデオロギーまみれのイベントをその主催者の主張に沿って報道することは端的にこの規定に反する。




NHK番組への介入問題の再考(48)

(48)NHK番組への介入問題の見識者の見解(15)

 もちろん、表現の自由は尊重されなければならない(あるいは、信仰の自由は確保されなければならない、かな?)。よって、法令を遵守する限り、バウネット・ジャパンのメンバーが狐と踊ろうが狸を拝もうがそれは彼等の勝手であり、まして、「女性国際戦犯法廷」なるものを開催してどのような主張をその私的なイベントで繰り広げようともそれはバウネット・ジャパンの自由である。しかし、NHK等の放送事業者には放送法第3条の2の規制が及ぶのであり、「女性国際戦犯法廷」を主催者側の意図通りには放送できない場合も、否、放送してはならない場合さえありうるのである。まして、放送法第1条2号に言う「真実を保障すること」、ならびに、同法第3条の2の3号「報道は事実をまげないですること」をも考慮するならば、法律的には荒唐無稽な主張を「女性国際戦犯法廷」と銘打って行うイベントを主催者の意図に沿って放送することは、嘘を国民に刷り込む企図にNHKが手を貸すことに他ならず、放送法の趣旨から見ても(「嘘をつくべきではない」という道徳や政治の側面から見ても、)それは許されないことだったと言うべきであろう。




NHK番組への介入問題の再考(49)

(49)NHK番組への介入問題の見識者の見解(16)

 NHKに報道の自由ってか? 

 報道の自由とは「制作現場の自由」でもないし、まして、「外部から批判を受
けない権利」でもない。ある番組の内容が取材の過程で外部に伝わったのなら、
事後だけでなく事前にその番組(とその制作姿勢)を批判することはこれまた
国民の権利である。政治権力を持つものの批判は<検閲>となる場合もあるが、
逆に、番組を批判する国民の権利の行使を、政治が商売の政治家は国民の委託
を受け責務として果敢に行う責務がある。

 而して、中川さんや安倍さんの「圧力?」が<検閲>に該当するかどうかを考
える上での問題は、NHKに報道の最終的決定権が担保されているかどうかである。
蓋し、最終決定権が担保されている限り、NHK内部でそれら諸々の批判をどう実
際の報道に反映させるかを巡り対立があることや、その反映に際してNHKが政
治動向や世間の常識を勘案すること、あるいは、それらの対立が最後的には組
織原則に則り上意下達されることは現行憲法が規定する報道の自由となんら矛
盾するものではない。

 そんな中川さんや安倍さんの問題(?)よりも、「民衆法廷」なるイデオロギ
ーまみれのイベントを、イベント主催団体の主意に沿って報道しようとしてい
た現場がNHKの中に存在していたことの方が遥かに、税金と国民から強制的に
徴収した費用で運営されているNHKの「報道の自由」とその裏面たる「報道の
責務」から見て問題ではないだろうか。




NHK番組への介入問題の再考(50)

(50)NHK番組への介入問題の見識者の見解(17)

 蓋し、上層部からの番組改変の指示や政治家とNHK幹部が意見交換したことを
さも憲法と正義に反するかのように考えるNHKの現場の雰囲気には、「女性国際
戦犯法廷」とも通底する極めて不誠実な思想が憑依しているのではないか。そ
う、戦後の日本において非合理と不正義と不誠実を推奨し、欺瞞と傲慢の限り
を尽くして、跳梁跋扈し猖獗を極めた戦後民主主義とそれらは通底していると
私は思う。即ち、自己の個人的な妄想や願望に過ぎないものを公的で公共的な
法や正義とアプリオリに同一視する傾向、ならびに、その同一視に疑義を唱え
る者に「軍国主義者」などのこれまた根拠のないレッテルを貼ってあたかも自
分達への批判が解決済み反論済みでもあるかのように装う姿勢がこの両者に共
通していると私には思えるのだ。

 畢竟、「女性国際戦犯法廷」なるものは羊頭狗肉のインチキであり、このよう
なイベントをイベント主催者の意向に沿って放映しようとした現場をNHKの上
層部が不完全ながらギリギリ押し止めたのは極めて当然のことだったと言うべ
きであろう。そして、何度も言うが、最終的な編集権がNHKに残されていた限
り、政治家の批判は豪も現行憲法が禁ずる「検閲」などには当たらないのであ
る。ゆえに、中川さん安倍さんはこの番組への批判をもっと果敢に行うべきで
さえあったのかもしれない。私はそう考える。




NHK番組への介入問題の再考(51)

(51)NHK番組への介入問題の見識者の見解(18)

 「まこと」さんと「KABU」さんの見解が、必ずしも噛み合っているわけではない。二人が直接に対峙して見解を披瀝し合ったからでないためである。
 争点の噛み合った部分から、私見を述べたい。
1、 女性国際戦犯法廷への批判
 「まこと」さんは、民間が開催するのだから、何をやっても、どのように構成しても問題はないとする。
 「KABU」さんは、民間が開催するのだから、何をやっても、どのように構成しても問題はないとするが、これがNHKという報道機関の番組で放映されるならば、当然にその内容の適確性に検証が及ぶとする。
 これについては、「KABU」さんの見解が正しい。放送法第3条の2などによって、政治的公平ということなどが放送法によって規律されている報道機関の番組で放映ならば、当然にその内容の真実性、適格性が要請される。

2、放送法第3条の2(国内放送の放送番組の編集等)の違反
 「まこと」さんは、政府の解釈を正当と考える。つまり、本条は、番組一つ一つを判断するのではなく、その放送事業者の製作する番組の全体から判断すべきだとする。
 「KABU」さんは、番組一つ一つを判断して判断すべきだとする。
 これについては、「KABU」さんの見解が正しい。番組一つ一つを判断するのではなく、その放送事業者の製作する番組の全体から判断すべきだとするするならば、本条に違反する番組が放送されることになって適切ではない。さらに、番組の全体から判断すべきだとする<判断基準>が問題となる。つまり、「政治的公平」などを保った「良い番組」と「政治的公平」などを欠いた「悪い番組」との相殺となろうが、その判断に要する期間が問題となり、いつまで経ってもその判断がつかないことにもなりかねない。今、「悪い番組」を制作したから、後で「良い番組」を制作して<帳尻を合わせる>ということになる。これでは国民の放送事業者への信頼を勝ち取れない。
 放送法学者が、「まこと」さんの支持する政府の解釈を正当と考える者がいないのは、このことを物語っている。





NHK番組への介入問題の再考(52)

(52)NHK番組への介入問題の見識者の見解(19)

3、番組への政治的介入
 「まこと」さんは、ここでは述べていないが、これまで度々述べて来たことから、政治
家がNHK番組への介入することは放送法第2条の干渉などに当るとする。
 「KABU」さんは、番組を批判する国民の権利の行使を、政治が商売の政治家は
国民の委託を受け責務として果敢に行う責務がある。中川、安倍両氏の「圧力?」
が<検閲>に該当するかどうかを考える上での問題は、NHKに報道の最終的決定
権が担保されているかどうかである。蓋し、最終決定権が担保されている限り、
NHK内部でそれら諸々の批判をどう実際の報道に反映させるかを巡り対立があ
ることや、その反映に際してNHKが政治動向や世間の常識を勘案すること、あ
るいは、それらの対立が最後的には組織原則に則り上意下達されることは現行
憲法が規定する報道の自由となんら矛盾するものではない

 これも「KABU」さんの見解を支持したい。
 これに付け加えて私見を述べたい。政治家の介入が「検閲」に該当し、「放送法第3条(放送番組編成の自由)「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」に違反するかどうかは、その編成された番組の先の放送法第2条が担保されているかどうかによる。そして、これが担保されないときは、これを是正することは国民の委託を受けて政治を行う国会議員としての責務であり、これを「政治的介入」とは言い得ない。
 もっとも、国会議員は「行政機関」ではないから「検閲」には該当しない。「放送法第3条(放送番組編成の自由)」のみが問題となる。そして、この担保が、放送事業者の「放送番組審議機関」の審議であると考える。
 放送番組審議機関」については、「NHK番組への介入問題の再考(17)」を参照されたい。







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